シリーズ・「宗教」を読み解く 95
宗教者懇談会in京都①

「共通の神と向き合い一つになろう」

ナビゲーター:石丸 志信

 10月8日、IAPD-Japan(平和と開発のための宗教者協議会)は、京都においてカルヴァン・エドワード・フェリクス枢機卿を迎えた宗教者懇談会を開催し、仏教、神道、諸宗教の代表ら40人が参加した。

 枢機卿は、「フランシスコ教皇とカトリック教会の宗教対話の姿勢」と題して約30分間の講演を行った。

 枢機卿ははじめに、前日26聖人発祥の地と元和キリシタン殉教の地で祈った体験に触れ、「宗教の一致と、人々の進歩と開発が京都での私たちの瞑想(めいそう)と祈りのテーマとなった」と語った。

▲講演するフェリクス枢機卿

 続いて1965年に閉会した第二バチカン公会議以降、カトリック教会がキリスト教諸教派とキリスト教以外の諸宗教に対してどのような姿勢で臨んできたかを紹介。

 「私たちはキリスト教徒の一致を目指して働き続けている。キリスト教以外の諸宗教の信者、全ての神を求める人々とも同様に、共通の神と向き合い一つになろうとしている。第二バチカン公会議は、人類の全ての男女は兄弟姉妹であり、全ては同じ創造主、すなわち同一のわれらの父なる神から創造された、という信念を深めた」と述べた。