シリーズ・「宗教」を読み解く 93
京都キリシタン巡礼④

400年前の「一日」を訪ねて

ナビゲーター:石丸 志信

 「孝情文化祝福フェスティバル名古屋4万名大会」が開催された10月6日は、京都で52人のキリシタン信徒が殉教してから400年目の一日に当たっていた。

 記念碑の前に到着したフェリクス枢機卿を京都・北山家庭教会の会員らが迎えた。
 手に手にドミニカ国とUPF(天宙平和連合)の旗を振り、聖歌を賛美し続けた。それはまるで棕櫚(シュロ)の葉を手に持って「ホザンナ」と叫びながら、イエス様のエルサレム入場を迎えるユダヤ人のようだった。

▲ドミニカ国とUPFの旗でフェリクス枢機卿を歓迎する教会員たち

 400年前の殉教の物語を聞いて心動かされた天台宗の東和空住職もこの場に駆けつけた。また、枢機卿の日本招聘(しょうへい)に尽力した福井教区の野崎教区長と教区婦人代表も臨席した。

 まず、記念碑の前に枢機卿が献花し、東住職が殉教者への鎮魂の思いを込めた般若心経を唱えた。北山教会の代表が殉教者の筆頭であった橋本太兵衛と妻テクラ以下52人の名前を一人一人読み上げた。

▲般若心経を唱える天台宗の東和空住職

 新約聖書ローマ人への手紙が拝読され、枢機卿が「迫害と死を越えて愛の証しを立てた殉教者を思い起こし、その信仰に倣おう」とのメッセージを語った。

▲聖書を拝読するフェリクス枢機卿

 カトリック様式の祈りをささげられた後、野崎教区長の切々とした報告祈祷が続いた。