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心のあり方 14
心を開く三つの秘訣

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第11弾、『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。
 なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『文鮮明先生の自叙伝に学ぶ~心のあり方』より)

第四章 愛する心があれば誰でも心を開く

心を開く三つの秘訣

 文鮮明(ムン ソンミョン)先生は人の心を開かせる達人と言うべき人です。「私は誰とでも気持ちがすっと通じます。お婆さんが来ればお婆さんと友達になり、子供たちが来れば子供たちとふざけたりして遊びます。相手が誰であっても、愛する心で接すればすべて通じるのです」(自叙伝 76ページ)

 では、文鮮明先生はどのようにして人の心を開かせることができたのでしょうか? それは、まず、自分の心を開いて人と向き合うことです。「相手が心を閉ざしている」という前に、自分の心をオープンにするのです。

 さて、文鮮明先生のご指導から、人の心を開かせる三つの秘訣(ひけつ)をまとめてみました。きっと、あなたが人の心を開く一助になるでしょう。

 まず第一は、相手の幸福を思いやる心です。人は自分を思いやってくれる愛を感じたとき、心を開くのです。相手を利用しようと思えば、相手は心を閉ざします。誰もが自己中心的な人に反発するのです。夫婦関係も同様です。夫が「妻とは夫のためにいるんだから、俺の言うことを聞け」などと妻に要求すれば、妻は心を閉ざします。「お茶ぐらい自分でいれてよ」と。妻は夫のメイドさんではないのです。

 また、妻が「妻を養うために夫がいるんでしょ。私のために一生懸命働いて出世してよね」などと、要求すれば、夫は反発します。「誰のおかげでめし食ってるんだ」と。妻と夫は労使関係ではないのです。

 ところで、世の中には人のために生きる職業があります。お医者さんです。病気を治して健康にする職業です。そのため、お医者さんも看護師さんも患者に思いやりをもちます。そのため、患者はお医者さんには心を開くのです。自分の健康を気遣ってくれるからです。

 診察室で、お医者さんから「どこがお悪いですか。いつからですか?」と質問されて、

 「よけいなお世話だ、ほっといてくれ」などと捨て台詞(ぜりふ)を吐く患者はいないでしょう。あるいは、全く心を閉ざして黙秘しないでしょう。警察の尋問ではないのですから。

 「風邪ですね。お薬を出しますから、必ず、食前に飲んでください。しばらくはお風呂に入らないほうがいいですよ」と言われて、「いやだね。あんたなんかに言われたくない」などと逆らう患者はいません。「分かりました、そうします。ありがとうございました」と言います。自分のために言ってくれる人には誰でも心を開くのです。

 夫婦は互いに看護師または医者役になれば円満になれるのです。妻は女医であり、看護師さんです。夫は仕事以外で心が傷だらけになった重症患者です。まさか、女医が言葉のメスとハサミで夫に最後のとどめを刺したりしません。また、夫は院長さんです。妻は子育てと姑の世話で疲れ果てた臨死状態の患者です。まさか、院長さんが瀕死(ひんし)の患者を放置して、飲み会には行かないでしょう。

 文鮮明先生は、悲しい人、寂しい人、貧しい人たちを、思いやりをもって訪ねる人でした。高校時代、時間を見つけては、必ず行くところがありました。ソウルに流れる漢江(ハンガン)にかかる橋の下です。そこには、住み場所がない貧民たちがいたのです。

 私は漢江の橋の下の貧民窟を訪ねて行き、彼らの頭を刈って心を通わせました。貧しい人は涙もろいのです。胸の中に溜まりに溜まった思いが高ずるのか、私が一言声をかけても泣き出して、大声で泣き叫びました。手には、ぼりぼり掻くと白い跡ができるほど、べっとりと垢がこびり付いています。物乞いでもらってきたご飯をその手でじかに私にくれたりもしました。そんな時は、汚いとは言わずに喜んで一緒に食べました。(自叙伝 74~75ページ)

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 次回は、「相手を尊ぶ心」をお届けします。


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