夫婦愛を育む 63
わが家語”で楽しく演出

ナビゲーター:橘 幸世

 大型連休に入りましたので、今回は軽めの内容でご容赦くださいませ。

 家族だけに通じる言葉って、どこの家庭にもあるのではないでしょうか?
 わが家の例を幾つか挙げますと、分かりやすいところでは「トロチー」「スラチー」。よく朝食用に買います。また、わが家で言う「玉子トースト」は、一般的なそれとは違う形態のトーストを、「ひき肉丼」はオリジナルレシピの一品を指します(子供たちは帰省すると、「玉子トースト」を一回は食べていきます)。

 自分たちだけに「通じる」というのは、一種の一体感をもたらすのかもしれません。逆に、分からない言葉が出る会話には、入っていけないものです。

 ある婦人が、「最近○○というドラマにはまっているの」とうれしそうに話してきました。
 彼女は、ご主人との二人暮らし。日々の生活パターンは基本的に変わらないので、新鮮な話題が常にあるはずもなく、ややもすればマンネリになりかねません。

 そんな中、そのドラマは珍しく夫婦で気に入っていて、録画して、一緒に見られる時まで待って見るそうです。
 ドラマの中でのおなじみのせりふ「私が、…しました!」を日常のやり取りに織り交ぜて、「私が、…をやっておきました!」という伝え方をすると、楽しい上に、嫌味や批判に聞こえることもないので二人とも笑顔とのこと。一緒に見ていればこそ、「通じる」一言ですね。

 単調な日常の中に(その「普通の生活」が実はとてもありがたいのですが)、笑いやユーモアを加えることは案外大切です。「一緒にいて楽しい」と感じられるからです。
 「幸せ」とは何かを考え、「幸せ」を得ようとストレスフルになっている中でも、誰かと一緒に笑っている一瞬は、幸せであり、苦労や悩みを忘れます。多少なりとも元気も出ますね。

 子供たちが小さかった頃のわが家の光景はこんなでした。

 従姉妹(いとこ)が、要らなくなった子供服をたくさん送ってくれたことがありました。上等な服の一つ一つを出しながら、私は楽しそうに、「ほら~、おニューのお古だよ~!」と子供たちに見せます(最早「おニュー」は死語ですね)。ノリのいい彼らは、「オ~!」と笑顔で反応。通じると楽しいものです。

 たまにTシャツ一枚でも買ってきた時は、(値段はさて置き)「ほら~、“まことの”おニューだよ~!」と掲げます。彼らは、やはり「オ~!」。
 牛肉がお手頃価格だった日には、「今日は“まことの”肉じゃがだよ~」「オ~!」(神様、ごめんなさい)
 お粗末さまでした。

 日本人が初めて経験する10連休、過ごし方はさまざまでしょうが、笑いやユーモアをたくさんちりばめて、楽しく過ごされますように。