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通いはじめる親子の心 6
子供の気持ちを感じ取る

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第6弾、『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』を毎週火曜日配信(予定)でお届けしています。

多田 聰夫・著

(光言社・刊『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』より)

第一章 子供は「育つ」もの

子供の気持ちを感じ取る
 神様は、人間にその時代を生き抜くための感性を与えておられます。

 今の親の世代は二十世紀に生まれ、二十世紀の環境を生き抜く感性を持って青春時代を過ごしてきました。

 一方、今の子供たちは二十一世紀の環境を生き抜いていくための感性を神様から与えられているのです。二十世紀の感性と二十一世紀の感性とはずいぶん違います。二十世紀の感性で二十一世紀に生きる子供たちと接しても、子供が「育つ」環境を整えることは難しいように思います。

 心の教育は、感性を養うことだとも言えます。感性は体験の中で養われていきます。家庭生活での家族関係や、自然の中でさまざまなものに触れることで、多くのことを感じていくことができます。親の手伝いをしたとき、親が喜んで感謝する姿を見て、子供は親の情を感じ、人のためになることをしたいと心から思うでしょう。

 感性が養われていけば、さまざまなものに対する理解力や判断力も育つようになるのです。子供たちがたくましく生きる大きな力となるのです。

 次のような文鮮明先生のみ言があります。

 「父母が直接教えてくれるのではなく、学校で学ぶのでもありません。子女のために献身的に真の愛の一生を生きていく父母の姿を見て体得し、悟るのが子女の愛です。成長して分別がつくようになって子女の心情が完成するのです。父母のためにすべてのものを捧げ、人生の基準を完成するのです。それは父母が語る前に父母の心を読み取り、願われたとおりに従っていく人生の姿となります」(『後天時代の生活信仰』83〜84ページ)

 親の感性が豊かであれば、子供も感性が豊かになってきます。親が子供の気持ちを感じ取った言動をすれば、子供は、「お父さん、お母さんは、僕のことをよく分かっていてくれている」と実感できるようになります。

 一般社会では、子供たちの八割が「親から理解されていない」と感じているそうです。私たちはどうでしょうか。「原理」を知ってはいても、実際には「授受作用」がうまくできていないことが多いのではないでしょうか。忙しさのあまり、子供と向き合う時間が少なくなっているのではありませんか。問題は、子供の気持ちを親が感じ取っていないことです。

 「親の愛情が子供に届いていない」、「親の愛が子供に届くには、子供の気持ちを分かってあげること」、そんな内容の話を、中高生とその父母にしたことがあります。父母が子供の気持ちが分かるようにならないといけない、変わらないといけないといった内容です。

 中高生は三十人ほどが参加したのですが、「僕も家庭を大事にしないといけないと感じました。家で、もっと自分のことを話すようにしたい」、「きょうは、失敗しました。母親しか来てもらえなったからです。この話を、ぜひ父親にも聞いてもらいたいです」といった感想を述べていました。一人の高校二年生の男子は、「僕の両親はもう年なので、今から変わるのは難しいです。だから、僕が変わります」と言っていました。

 親は、子供の行動を変えさせようとする前に、その行動をする子供の気持ちを感じてあげるようにしてください。感じること、共感することが大事です。子供が感じているのと同じように感じることです。

 そのとき、子供は、「お父さんは、僕の気持ちを理解してくれている」と思うのです。共感してくれなかったら、理解してくれているとは思えないのです。(続く)

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 次回は、「親の要求を優先していないか」をお届けします。


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