https://www.kogensha.jp

愛と人生の道しるべ 42
ミニカウンセリング──愛と性の悩み②

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第1弾、『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

ミニカウンセリング
──愛と性の悩み②
Qまだ特定の恋人はいませんが、女性のことを考えるとき、相手を大切にし、ロマンチックな恋をしたいという思いと、性の対象としたいという欲望が心の中でいつも葛藤し、とても不自由です。

 電車やエレベーターの中で、若い女性を見ては選んでいる自分に、ほとほと愛想が尽きます。雑誌のヌード写真をこっそり見てはため息をついている自分も、あさましいものだと思います。一体、どうしたらいいでしょうか。

A男性は誰もが愛と性欲の葛藤の中で、どうしたらいいのか分からないというのが、正直なところではないでしょうか。

 青春という言葉が過去のものとなった世代からのアドバイスとして、二つのポイントを挙げておきたいと思います。

 まず初めに、ロマンチックな恋に憧れているというのは、真実の愛とは程遠いということです。

 男性ならば誰でも、アイドルタレントのような存在に心引かれるものですが、それは「かわいらしいから」「美しいから」という、姿かたちによるものでしょう。しかし、どんなに「かわいらしく」、「美しく」ても、交際するようになり、一緒にいるようになると、それが当然のこととなりますから、「かわいらしさ」や「美しさ」は、心引かれる条件にならなくなってきます。それどころか、気配りのなさやプライドの強さ、わがままなところなどが目につくようになると、「かわいらしさ」や「美しさ」が、むしろ無神経さや冷たさに見えてくるから恐ろしいものです。

 若い女性は、若さだけで美しいものです。しかし、女性の本当の美しさや魅力というのは、二十代後半になり、若いことによる魅力ではごまかせなくなってきた時に、はっきりと現れるようになってきます。

 「かわいらしさ」や「美しさ」「若さ」という表面の奥にある、人間としての大切なものを見抜く目を、まず養うことがあなたにとって一番大切なことです。

 次に、若い男性が決定的に誤解していることを指摘したいと思います。性体験それ自体ではそれほど快感は得られないということです。

 十代後半から二十代前半の男性の多くは、強い性欲に振り回されています。性関係を結べば素晴らしい快感を得ることができると思い込んでいるのです。

 しかし実際の性交渉は、当然のことながら男女の心と体との相対的関係のなかで行われるのですから、男性の一方的な性欲だけではうまくいかず、思ったほどの快楽は得られないのです。

 結婚当初よりも夫婦として年季が入ってきた時のほうが、性生活の快楽が大きいという事実からも分かるように、お互いの心が愛情によって深く結ばれ、その上で肉体的にも結ばれた時、初めてお互いが快感を得られるものなのです。

 男性は、女性も男性との性関係を求めているはずだと思いがちですが、女性は男性と根本的に違うことをよくよく知っておく必要があります。

 女性は男性と違って、性関係があまりなくても結構平気でいられます。肉体を愛撫(あいぶ)されるよりも、もっと心を愛してほしいというのが女性の願いです。

 男性が快楽指向が強いのに対して、女性は愛情指向が強いということです。どんな女性も愛情のある人と結婚したいと思っているのです。

 回りくどくなりましたが、本当の意味での性の快楽は、相手への思いやりと愛情が必要であり、生涯の伴侶となる人と結婚して、心が満足した状態でなければ得られないと、私は考えているのです。

 あせる必要は全くありません。その愛がいつ崩れてしまうか分からないという、不安な心のままでは、性関係の中で本当の意味で心が満たされることはありませんから、心と体が共鳴するような深い快楽は得られません。

 興味本位の性体験は失望と、自分自身の中で大切にしていた何か、つまり青春を力いっぱい生きようとしていた誇りや愛情を失ってしまう結果になりかねません。

 性を安易に扱った人は、心の張りや人間としての愛情や喜びに欠けるようになってしまいます。

 性を大切にすることは、自分の生き方や心を大切にすることを意味しています。性生活は、夫婦間にのみ許される男女の深い理解の仕方であり、性の快楽は夫婦で築き上げていく世界なのです。

 やがて幸せな結婚生活を送ることができるように、性の興味や誘惑に負けないよう努力してください。(続く)

---

 次回は、「ミニカウンセリング──愛と性の悩み③」をお届けします。


◆『愛と人生の道しるべ』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ