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愛と人生の道しるべ 41
ミニカウンセリング──愛と性の悩み①

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第1弾、『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』を毎週日曜日配信(予定)でお届けしています。

酒井 正樹・著

(光言社・刊『若者に贈る~愛と人生の道しるべ』より)

ミニカウンセリング
──愛と性の悩み①

Q十九歳の女子大生です。クラブの先輩と付き合っていますが、時々私たちの愛は本物なのだろうかと不安になることがあります。彼の心をつなぎ止め、愛を本物にするには、どうしたらいいでしょうか。

A心の片隅にある直感というものは、恐ろしいほどの正確さで、自分の問題点を指摘してくれるものです。

 愛の喜びを感じながらも、それ以上に不安を感じるのは、やはりその愛が不完全であることを、本心が知っている以外の何ものでもありません。そもそも十九歳というあなたの年齢で、愛という言葉の意味がどれだけ分かっているでしょうか。「愛」という言葉に酔いしれているだけであり、相手はたまたまあなたの身近にいたというだけの人ではないでしょうか。

 十代後半から二十代前半にかけての頃は、恋に恋する時期であり、夫婦の愛に入る前の準備期間のようなものです。ふとしたきっかけで知り合った異性が、いつの間にか心の中で大きな存在となり、理想の異性となっていきます。

 恋しているのは実際の彼ではなく、あなたの心の中にある理想の男性像であり、彼はあなたの恋の夢を実現するために必要としているだけなのではないでしょうか。

 愛していると思ったのに、相手の実際の姿を知ると、「私が愛していた人はこんな人ではなかった」と失望し、再び夢の恋人を捜し求めるというのが、男女の姿だったのです。

 恋の思いの中に身を置くことは、確かに喜びがあります。小さな野の草花さえも美しく見えてきます。「人は恋をすると詩人になる」と言われるように、人生が輝いて見えてきます。しかし、それは砂漠の蜃気楼(しんきろう)のようなものです。恋の喜びを求めても、得られそうで得られません。その繰り返しで、結局、何も得ることができずに終わってしまいます。

 心の中から理想の異性像がなくなったとき、初めて異性を真に愛することができる、と心理学者は分析しています。本物の愛なら、彼の弱さや足りなさを知って、自分が支えていこうと思うもので、姿かたちや学歴や財産ではなく、彼の生き方や価値観に共感し、共に支え合って生きていこうとするのではないでしょうか。

 男性と女性は、磁石のN極とS極のように、自然に引き合うものであり、異性を「好きになる」のに何の努力も要りません。

 ところが、「愛する」ということは、相手の良い点だけでなく、問題点も欠点も知ったうえで、相手の幸福のために尽くしていこうというものですから、努力と意志力を必要とするのです。

 恋愛は、愛に到達するための入り口にはなりますが、人生の目的そのものではありません。

 あなたが本物の幸福をつかみたいのなら、恋愛感情の中に流されがちな自分の心をコントロールし、実際の彼の姿を正しく知るように努力してください。そして、彼の嫌な姿を知ったとき、自分がどのように対処できるかを研究してみてください。「許せない」、「とても耐えられない」というのであれば、あなたはまだ人を愛せる段階ではないということです。

 今のあなたに必要なのは、不確かな彼との間を手練手管を使って何とかすることではなく、もっと男性を見る目を肥やし、自分の心を磨き、良き妻、良き母になるための準備をすることです。

 男性は彼一人ではありません。恋している時は、彼こそすべてであり、彼を失ったら彼のような人には二度と出会えないに違いないと思い込んでしまうものです。心を広く持たなければ、目の前の男性に心を奪われて、本当にあなたに最もふさわしい人を逃してしまうことにもなりかねません。

 あせる必要は全くありません。自分を磨き、内外共に魅力ある女性となる努力をしてください。何か一つ、自信を持って打ち込めるものを探してみてください。常に向上心を持ち、不平不満を言わず、笑顔で誠意をもって人に接するようにしてください。数年後、男性のみならず女性までも、あなたをまぶしく見つめるようになることでしょう。(続く)

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 次回は、「ミニカウンセリング──愛と性の悩み②」をお届けします。


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