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通いはじめる親子の心 4
子供に愛を伝える

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第6弾、『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』を毎週火曜日配信(予定)でお届けしています。

多田 聰夫・著

(光言社・刊『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』より)

第一章 子供は「育つ」もの

子供に愛を伝える
 親は、子供に「やる気」と「思いやりの心」、「感謝の心」を持つ人になってほしいと願います。

 子供がそのような人になるためには、親の「真の愛」が必要です。子供に親の愛がきちんと届いていなければなりません。

 子供を愛していない親はいません。しかし、親の愛情が子供に届いていない場合があるのです。親が子供を愛することと、愛する気持ちを子供に伝えることとは違うのです。

 日本人は、愛情表現が下手だと言われます。それは、親の子供に対する愛情表現も同じです。親が子供を愛しているのは当然です。自分が愛していることは当たり前なので、子供は親が愛していることを分かっているはずだと思っているのです。しかし、子供は親の愛情を感じていないことが多いのです。

 どうすれば親の愛情が子供に届くのかを確認しなければなりません。そのためには、子供に愛情を届けることを勉強しなければいけません。「相手に届く」ように愛することを訓練しなければならないのです。そして、それを生活化していくのです。

 親子関係について行った講座に参加した、ある母親の話です。

 「二日間の家庭力アップ講座に参加した時のことです。一日目の朝に家を出る時、小学一年生の娘が、『母さん、どこへ行くの?』と聞いてきました。母親が出かけるのをかなり嫌がっているようでした。『きょうはどこにも行かないでほしい』という感じでした。

 二日目の講座に出かけようとしたとき、娘は、『母さん、またどこへ行くの?』と聞いてきました。私は、講座で学んだことを娘に話してみました。『講座の先生が言っていたんだけどね、親の愛が子供に届いていないんだって。だから、親の愛情が子供に届くようになりたいから、勉強に行くんだよ』と言いました。

 すると娘は、『そうだよ、母さん。そのとおりだよ。しっかり学んできてね』と言って私を送り出してくれました」

 子供は親の心にとても敏感です。小さな子供であっても、親の心をよく理解しているのです。理解していると言うよりも、感じているのです。

 どうしたら親の愛が子供に届くのか、その方法を考えていきたいと思います。(続く)

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 次回は、「子供は『育つ』もの」をお届けします。


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