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通いはじめる親子の心 3
子供の反抗期は親がつくる

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第6弾、『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』を毎週火曜日配信(予定)でお届けしています。

多田 聰夫・著

(光言社・刊『通いはじめる親子の心〜子供の気持ちに「共感」する』より)

第一章 子供は「育つ」もの

子供の反抗期は親がつくる
 子供の成長過程には、反抗期というものがあります。「うちは反抗期のまっただ中です。反抗して大変なんです」と、思春期を迎えた子供を持つ親からよく聞きます。

 しかし、子供は反抗したくて反抗しているわけではありません。むしろ、親が反抗期をつくり出している場合もあるのです。

 「統一原理」によれば、人間は自由意志と自由行動によって責任分担を果たすようになっています。小学生、中学生、高校生と、成長するとともに、自由意志と自由行動の世界が拡大していきます。

 幼児のころは全面的に親に頼っていた子供も、成長するに従って、自立心が芽生えてきます。「自分で考えたい」、「自分でやってみたい」という心が芽生えてくるのです。

 ところが、親は小さい頃と同じように扱おうとします。そうすると、子供は反発します。親の力をはねのけようとして、反発するのです。その時期のことを反抗期と言うのです。ですから、反抗期と言うよりも、「自立期」と言うほうがいいのではないかと私は思います。

 この時期は、子供から大人へと成長していく大切な時です。心が敏感になり、不安定になる時期でもあります。自分で自分の心をコントロールできないことも多いので、ついカッとなったり、反発して親の心を傷つける言葉を吐いたりしてしまうことにもなるのです。

 親が子供の心の動きにアンテナを張っていれば、子供の心の変化を感じ取ることができるはずです。それなのに、子供の変化に気付かないまま、それまでと同じように子供に対応して、子供が口答えをすると、「親の言うことが聞けないのか!」と決めつけ、高圧的になって怒ってしまうわけです。

 「うちの子は反抗なんてしたことがありません。何も問題ありません」という家庭はもっと深刻です。なぜなら、親に反抗することすらできない子供に育っている恐れがあるからです。自立期を通過しているかどうか、よく見てあげなければなりません。いろいろなことをぐっと我慢して、心の中にため込んでいる可能性があります。そのような人は、下手をすると、主体性がなく、自信を持てない人間になってしまう可能性があるのです。

 親は生涯、子供の「人生の応援団長」でありたいものです。良いことがあれば一緒に喜び、悲しいことがあれば一緒に悲しみを分かちあってあげたいと願います。

 しかし、子供が大きくなるに従って、次第に子供の心が理解できなくなってしまいます。子供の行動が受け入れられなくなってしまうのです。子供の気持ちが理解できず、共感できなくなっている自分を発見することが多くなります。そして、イライラして子供の行動を変えたいと思ってしまうのです。(続く)

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 次回は、「子供に愛を伝える」をお届けします。


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