コラム・週刊Blessed Life 56
小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」に着地成功!

新海 一朗(コラムニスト)

 2019年2月22日、「はやぶさ2」は小惑星「リュウグウ」への接地(タッチダウン)を成功させました。

 小惑星「リュウグウ」は、1999年に発見された小惑星で、地球と火星の間の軌道を約1年4カ月の公転周期で周る直径900メートルほどの天体です。地球とリュウグウの距離は約3億キロあります。

 「はやぶさ2」の目的は、生命の起源を探るため、有機物や水を含んでいるとされる小惑星「リュウグウ」へのサンプル採取&リターンにあります。と言うのは、太陽系が生まれた頃(約46億年前)の水や有機物がリュウグウには今も残されている、つまり、原始太陽系の痕跡を多くとどめていると考えられているからです。

 地球の水はどこから来たのか、生命を構成する有機物はどこでできたのかという疑問を解くのが「はやぶさ2」の目的なのです。

写真はイメージです

 「はやぶさ2」が打ち上げられたのは、2014年12月4日ですから、4年3カ月近い宇宙空間の飛行の末に、重さ600キロの「はやぶさ2」は目的地の小惑星「リュウグウ」に接近し、そして着陸機を接地させることができたという計算です。

 「リュウグウ」は「こま形」でそろばんの玉のような形をしています。
 「はやぶさ2」がリュウグウの上空に到着したのは、2018年の6月でしたから、2019年2月22日のタッチダウンまで、「はやぶさ2」は何をしていたのかと言うと、機体が損傷しない場所を探し出すこと、すなわち、岩石を採る着陸機の着地場所を決めるための綿密な地表面調査に時間をかけていました。

 着地には思わぬ困難が待ち受けていました。表面に岩石が多く、安全に着地できる場所の見通しがなかなか立たないという難問に遭遇したのです。着地にふさわしい平たい場所はいくつかあることは分かりましたが、その広さはほとんどが直径数メートルで狭いのです。こういう難しい判断の中で、ようやく、タッチダウンを決行し、成功を勝ち取ることができました。

 改めて、この度の小惑星探査機「はやぶさ2」の「リュウグウ」への接地の成功、おめでとうございます。
 大きなミッションを背負っている「はやぶさ2」が無事に帰還できるよう、心からお祈りいたします。