2026.08.28 17:00

青少年事情と教育を考える 324
政府が打ち出したAI時代の教育施策とは
ナビゲーター:中田 孝誠
松本洋平文部科学相は今月、「第5期教育振興基本計画」について中央教育審議会に諮問しました。
教育振興基本計画は、今後の教育政策に関する基本的な施策の方向性を示すもので、2008年度から5年ごとに作成されています。国が基本的な計画を定め、地方自治体が地域の実情に合わせて計画を策定します。
今回の第5期は2028年度から2032年度の計画の方向性を定めるもので、ここで示された内容が教育の柱になっていくわけです。
今回の計画は、AI(人工知能)時代を迎えて2040年以降の社会がどうなるかを捉え直して、教育施策を総合的に検討することを謳(うた)っています。具体的な検討課題としているのが次の5点です。

① 生成AI等の技術革新の急速な進展
➁ 人口減少・少子高齢化の進行
③ 社会・産業構造の変容(理工・デジタル分野の人材、エッセンシャルワーカーの不足など)
④ わが国社会や教育現場の多様化(不登校児童生徒・特別な支援を要する児童生徒・在留外国人の増加など)
⑤ ウェルビーイングの重要性の高まり
このうち、大きな課題として示されているのが、①のAIの活用です。適切に活用するリテラシーはもちろん、自分で問いを立てて学びを深める力を育てたり、好奇心や意欲・志など人として価値を発揮したりする基盤となる人間力の育成を目標にしています。
AIの活用に教育の質向上の重要なポイントがあると文科省は考えているようです。
また、②では地域コミュニティーが持続できるよう、地域での教育の維持・活性化を目指すとしています。
③では、高校から大学・大学院等まで一貫した人材育成方策の具体化や生涯にわたり学び続ける社会の実現、④では一人一人の可能性が開花する教育の実現や質の高い教職員を確保するための環境整備を、⑤では日本社会に根差したウェルビーイングのさらなる向上を図ると謳っています。