週刊ぶれら 66
文化の改革、その第一歩は?

編集部

 今、文化の改革が願われる中で、「他責思考」「分断思考」「権力思考」からの脱却、変換が求められています。

 これらの内容は、社会心理や人間関係、チームマネジメントなどでよく問題視される三つの思考パターンでもあります。どれも、自分を守ろうとする過剰な心理的バイアスから生じるものですが、組織や個人の人間関係を硬直化させる原因になるものでもあるといわれています。

 それぞれの「思考」について考察してみましょう。

①他責思考
 これは、何かに失敗した時や問題が起きた時に、「自分ではなく、他者・環境・制度のせいだ」と外部に原因を求めてしまう考え方です。

 この思考の問題点は、成長が停止し、信頼を失墜してしまうことにあります。
 自らの失敗から学びを得られないため、同じミスを繰り返しやすくなり、周囲からは「責任逃れをする人」と映り、協力者や信頼が得られなくなってしまうのです。

 他責思考の対義語は「自責思考」です。
 問題が起きた際、「自分にできることはなかったか」「自分に何が改善できるか」と主体的に捉える姿勢を示す言葉です。

 「自分が変われば結果が変わる」という前提に立っているので、課題解決力とスキルの向上のスピードが格段に上がるわけです。
 そして逃げずに責任を果たそうとする姿勢は、強い信頼とリーダーシップを生み出すことになるでしょう。

②分断思考
 世界や物事を「敵か味方か」「正しいか間違いか」「白か黒か」のように、二つの極端なグループに分けて考えてしまう思考です。「二項対立思考」とも呼ばれます。

 この思考の問題点は、対立と孤立の激化を生み出してしまうことであり、近視眼的で偏狭になってしまうことです。
 中間的な意見やグレーゾーンを許容できず、異なる価値観を持つ相手を排斥して関係性を悪化させてしまいます。多角的な現実が見えなくなり、複雑な課題に対する本質的な解決策を見失ってしまうのです。

 分断思考の対義語は、「包摂思考」「統合思考」です。

 異なった意見や多様な価値観を排除せず、「違いを受け入れた上でどう共存・統合できるか」を模索する姿勢が、分断思考を回避させることになるでしょう。

 そうすることで、全く違う視点を組み合わせることができるようになり、これまでになかった新しいアイデアや解決策、第三の案も生まれやすくなるのではないでしょうか。

 そしてそれは、心理的安全性を高めるものになります。多様性が認められることで、人々が安心して意見を出せる柔軟で強い組織・関係性が築かれるというわけです。

③権力思考
 物事の判断や対人関係のベースを「役職・立場・力の強さ(上下関係)」に置き、力で相手を従わせようとしたり、上の指示に盲従したりする考え方です。

 この思考の問題点は、議論と質の低下とモチベーションの低下をもたらしてしまうことです。
 「正しさや論理性」ではなく「誰が言ったか」が優先されるため、現場の有益な情報や不都合な事実が上に上がらなくなります。恐怖や圧力による支配は、周囲の主体的・創造的なやる気を著しく削いでしまうものです。

 権力思考の対義語は、「対等思考」「平等思考」といっていいでしょう。
 役職や年齢、立場に関わらず、一人一人の人間や意見を「対等な対話の相手」としてリスペクトする姿勢です。

 肩書きにとらわれずに「何が本当に正しいのか、効果的なのか」を議論できることで、本質的な課題解決を見いだすことができることでしょう。そして誰もが自分の意見を尊重されていると感じられるようになれば、自発的な行動と強いエンゲージメント(愛着心・貢献心)が育まれることになるでしょう。

 参考になりましたら幸いです。

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