スマホで立ち読み Vol.42
『統一思想へのいざない(原相論編)』5

木南章良(統一思想研究院首席研究員)著

(光言社・刊『統一思想へのいざない〈原相論編〉』〈20251120日初版第1刷発行〉より)

 『統一思想へのいざない(原相論編)』の一部を「立ち読み」でご覧いただけます! 毎週水曜日にお届けします。

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一、『新版 統一思想要綱』の構成

 統一思想の基本となる書籍が『統一思想要綱』です。1972年に統一思想研究院が韓国と日本で創立され、翌年の1973年に『統一思想要綱』初版本(韓国語)が発刊、日本語(*4)にも翻訳されました。その後も改訂版が発刊されてきましたが、日本語の最新版は2010年に発刊された『新版 統一思想要綱(頭翼思想)』第二版です。これからも加筆・翻訳されていくでしょう。

 統一思想を文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁と共にまとめた李相軒(イ・サンホン)氏は、今は絶版となっている『統一思想解説』の冒頭で、「統一思想はみ言(ことば)です。そしてこの思想は何も、知識欲を満足させるための思想ではありません。……統一思想は実践のための知識であり、生活のための知識です(*5)」と述べています。言い換えれば、知識欲を満足させるために統一思想があるのではなく、生活の中で愛の実践をするために統一思想があるというのです。

 『新版 統一思想要綱(頭翼思想)』では、基本的に神の創造の順序に従って各章が配列されています。統一思想は神を出発点としているため、第一章は神を扱う原相論です。次に、神の創造において人間よりも万物が先に創造されたので、第二章に万物を扱う存在論があります。そして、万物の次に人間が創造されたので、第三章に本然の人間に関する本性論があります。ここでは、善悪が混じり合った現実の人間ではなく、堕落前の本然の姿の人間、人間の理想像を扱っていることに注意しなければなりません。神はアダムを創造なさり、獣と鳥をアダムのところに連れてこられました(創世記二・一九~二〇)。アダムはこれらを見て名前を付けましたが、これは人間が万物を認識し、思考したことを意味するので、認識論と論理学を論じる必要があります。しかし、これは初心者にとって難解なので、便宜上後ろに回して、第九章に認識論、第十章に論理学が配置されました。

 その上で、神の創造はアダムとエバを通した三大祝福の価値世界の実現だったので第四章に価値論、その価値世界を三大祝福で具体化する理論として第五章に教育論(第一祝福、人格教育)、第六章に倫理論(第二祝福、家庭の規範の学)、第七章に芸術論(第三祝福、万物は人間に美を返す)となります。そして、それが時代的に変遷していくので、第八章が歴史論となります。最後に、すべての分野に一貫して作用している不変の法則を扱う章として、第十一章に方法論が来ます(*6)。その法則とは、授受作用の法則のことであり、これは言わば、愛の法則であるとも言うことができます。

 さらに付録として、一、共生共栄共義主義、二、三大主体思想、三、四大心情圏と三大王権の意義が加えられています。共生共栄共義主義は、文鮮明・韓鶴子総裁の思想を経済(共生主義)、政治(共栄主義)、倫理(共義主義)の側面から扱った概念(*7)です。言い換えれば、理想社会の経済、政治、倫理とはどのようなものであるかを扱った理論です。この三つの中で、共義主義が共生共栄共義主義社会の基本(*8)となります。理想社会は、倫理の基盤の上で経済と政治が花開くのです。

 三大主体思想は、共義主義の第一の特徴であり、すべての人が三大主体(父母、先生、主人)の立場で神の愛を実践するという思想(*9)です。これは、愛の実践が主体的意志に基づいたものでなければならない、というものです。

 続いて、四大心情圏の「圏」とは、及ぶ範囲のことです。文化圏とは文化の及ぶ範囲であり、勢力圏とは勢力の及ぶ範囲です。よって、心情圏とは心情の及ぶ範囲、言い換えると、心情の対象の範囲(*10)のことです。四大心情とは、子女の心情、兄弟姉妹の心情、夫婦の心情、父母の心情の四つをいいます。家庭の中におけるこの四大心情圏が拡大されて、社会の人間関係の基礎となると考えるのです。これはあらゆる人間関係が、家族の関係を基本とした関係になることを意味します。現実的な人間関係における解決方法を、家族関係を基本として解こうとしているのです。統一思想が「神のもとの人類一家族思想」と呼ばれるのもこのためです。

 そして、三大王権とは、三世代家庭における三つの王権をいいます。おじいさん、おばあさんが過去の王権、お父さん、お母さんが現在の王権、子供たちが未来の王権です。家庭の中に三つの王権があるのです。「王」という言葉を用いるのは、それぞれが最高に尊貴なものであるという意味からです。言い換えると、家庭の中で祖父母、父母、子供それぞれが真の愛の権威を持っているので、相手をぞんざいに扱ってはいけません(*11)。現実的には、物質的な観点から祖父母世代を軽視すべきではなく、子供世代をいたずらに無視してはいけないのです。

【注釈】

4 統一思想研究所、『統一思想要綱』初版(東京:統一思想研究所、1973)。

5 李相憲、『統一思想解説』第一篇改訂版 (東京:光言社、1983)、1頁。

6『新版 統一思想要綱』、68頁(まえがき)。

7『新版 統一思想要綱』、697頁(共生共栄共義主義)。

8『新版 統一思想要綱』、717頁(共義主義)。

9『新版 統一思想要綱』、720頁(三大主体思想)。

10『新版 統一思想要綱』、734頁(四大心情圏)。

11『新版 統一思想要綱』、746752頁(三大王権)。

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 次回は、「神主義」をお届けします。お楽しみに!



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