2026.05.08 17:00

青少年事情と教育を考える 316
親との会話多いと「将来を具体的に考える」
ナビゲーター:中田 孝誠
親子の間で会話が多いと、「進路」や「結婚」、「最初にこどもを持つ時期」など、将来を具体的に考える子供の割合が高い―。
昨年(2025年)5月に公表された「第14回 21世紀出生児縦断調査」の中に、このような興味深いデータがあります。
2010年(平成22年)に生まれた子供たちに2024年5月に聞いたものです。調査時点では中学2年生です。

例えば、母とよく会話をする子供は、将来の「進路」を具体的に考えているという割合が59.3%、「結婚」を具体的に考えているのは57.6%、「最初にこどもを持つ時期」では58.4%です。逆に会話をしていない子供では、「考えている」割合はいずれも4割前後でした。
また、父親とよく会話する子供では、具体的に考えているという回答はいずれも4割前後、まだ考えていないは3割前後です。母親より割合は低いですが、やはり親子の会話が将来を考えること自体に影響を与えていることを示唆しています。
これは今回の調査に答えた子供たちに限りません。2001年(平成13年)生まれの子供たちの場合も、同様に親子でよく会話するほど将来を具体的に考えているという結果が出ていました。
父母の関係が良いとか、恵まれた家庭環境がモデルになって将来像を具体的に考えているのかは、この調査だけでは分かりません。それでも進路はもちろん、中学生で将来の結婚や子供を持つ時期まで考えるということは、親子の関係が子供の人生に大きな影響を与えていることを示しています。
ただし以前も紹介しましたが、結婚に関しては「親の過干渉」が長期化すると子供が自立して誰かと家庭をつくる力を奪い取る結果にもつながるという専門家の指摘もあります(『データで読み解く「生涯独身」社会』、ニッセイ基礎研究所・天野馨南子氏)。
この点は親の方も注意しながら、子供のモデルになることが大切だと思われます。