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青少年事情と教育を考える 314
図書館を「学びの深化」と「新たな地域共創」の場に

ナビゲーター:中田 孝誠

 文部科学省が先月、『図書館が拓く未来の学びと地域社会』という報告書を公表しました。同省の有識者会議の議論をまとめたものです。

 報告書では、図書館の現状について次のように述べています。図書館自体は増加傾向にあり、全国の市区にはほぼ100%設置されていますが、町村単位ではおのおの65%、30%と設置率が低く、図書サービスに地域間格差があると述べています。

 1館当たりの利用者数、国民一人当たりの貸出冊数はコロナ禍前の水準には届いていません。予算も減少傾向です。ただ、電子書籍のサービスは増加しています。

 学校図書館については、図書標準(小中など学校種別ごとに定めた蔵書の数)という基準を達成しているのは小学校で7割、中学校で6割、特別支援学校小学部では15%などとなっています。学校司書の配置割合は伸びていますが、時間が限られていて自由な利用が難しい場合もあるようです。
 ポイントになるのは、図書館の今後の役割として「地域の『ハブ』、学校の『中心』を担う図書館」を目指して、読む・集う・学ぶ場として「新たな地域共創」を提案している点でしょう。

 そのために、利用者や地域住民の自主的・自発的な学習活動を支援したり、メディア情報リテラシーの向上などに取り組みながら、立ち寄りやすさや居心地の良さも備えて「総合力で地域に寄与」する、とうたっています。

 学校図書館については、「学びの深化を担い、一人一人の『好き』を育み『得意』を伸ばす居心地の良い学校の『中心』へ」と述べています。
 不登校傾向の子を含めて多様な子供を包摂する、居心地の良い学びの場としての学習支援ができる機能を発揮できるようにするとしています。

 そしてこれらの目標に向けて、電子書籍サービスの拡大やデジタル化の推進、地域ニーズ把握のための利用者・非利用者との対話、公立図書館と学校図書館の連携などを掲げています。

 これらの目標は、図書館を人と地域を育てる基盤にすると理解できます。
 例えば、学校は地域社会の基盤となる場です。図書館もそれに近い力を持っているというわけです。
 自治体の予算不足など課題も多く、この通りになるかは分かりませんが、地域づくりに生かせる可能性があるということでしょう。