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青少年事情と教育を考える 313
少年の刑法犯、4年連続で増加

ナビゲーター:中田 孝誠

 昨年1年間に検挙された刑法犯少年(刑法に違反した少年)は24416人で、前年より2600人余り増加しました(警察庁『令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況』)。
 少年の刑法犯は過去20年ほど一貫して減少していましたが、2022年から一転、4年連続の増加となっています。

 増加の原因について、筆者が知る限りでは明確な分析はありません。2020年以降はコロナ禍がありましたが、それで全て説明できるとは考えられません。
 統計によると、少年非行の近年の特徴として、いじめや校内暴力の増加が目立ちます。

 いじめが事件として認知されたのは400件、検挙・補導された児童生徒は507人で、この10年間では最も多くなっています。
 校内暴力は1063件、検挙・補導されたのは1113人で、こちらもこの10年で最多になりました。
 この他、ここ数年大きな問題になっている大麻乱用は1373人で高止まりです。

 もう一つ、SNSをきっかけに犯罪被害に遭った子供は1566人で、過去10年で2番目に少ない人数でした。ただ、注意しなければならないのは、小学生は167人で10年前の4倍に増えていることです。

 少年非行の背景にはさまざまな要因がありますが、家庭の影響が大きいことは確かです。
 法務省の『犯罪白書』(令和5年版)は「非行少年と生育環境」の分析から、幼少期の虐待や家庭内暴力などの体験が少年非行に影響を与えていることを述べています。

 また、以前も紹介しましたが、アメリカの事例をまとめた書籍『小児期トラウマがもたらす病』によると、幼少期に虐待を受けて後遺症に悩む親が子育ての際に心がけたいことを紹介しています。
 子供の成長にとって重要な点なので、再度紹介します。

① 四つの「S」を子供に植え付ける=子供が「気にかけられている(seen)」「安全(safe)」「落ち着かせてくれる(soothed)」「守られている(secure)」と感じられるように心がける。

② 子供の目を見る=子供に向き合って真っすぐ目を見つめることで、子供は心配されていると感じて安心感を抱く。

③ 幸せを増幅する=毎日の生活で意義のある経験を見分け、それを感謝、共感、回復力、自尊心といった内面の力に変えていく。

④ 子供が見せている長所を挙げて「頑張っているね」「本当に責任感が強いね」と具体的に強調し、親がちゃんと気付いていることを子供に知らせる。

⑤ 20秒のハグの驚くべきパワー。

 こうしたことは、家庭の再生、親子関係の再生が現代に最も重要であることを示しています。