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文鮮明師自叙伝に学ぶ~心の書写 33

受けた恵みを隣人に施す

 アプリで読む光言社書籍シリーズ第3弾、『文鮮明師自叙伝に学ぶ~心の書写』を毎週木曜日配信(予定)でお届けしています。なお、この記事に記載されている「自叙伝『平和を愛する世界人として』」のページ数は創芸社出版のものです。

浅川 勇男・著

(光言社・刊『心の書写~文鮮明師自叙伝に学ぶ~』より)

【第九章】陰徳を受けたときは、必ず、もっと大きくして返す

 人から世話を受け、尽くされたら、幸運の借りをつくったことになります。家計簿でいえば、借りを返さなければ、収支は赤字となってしまいます。借りを精算してこそ収支は黒字に転換できるのです。幸運の家計簿でいえば、人から尽くされた分を返して、初めて幸福への道が開かれるのです。

 ところで、大きな陰徳を施してくださった人がいたとします。しかし、その人が他界したら、どのようにして恩を返したらいいのでしょうか。幸福になるためには、その人から受けた陰徳を大きく返さなければなりません。

 文鮮明先生は、その返し方を教えてくださっています。

 「恩恵を施してくれた人に直接会えなかったとしても、大事なのはその人を思う心です。ですから、その人に会えなくても、受けた恵みを今度は他の人に施そうという一途な心で生きるのがよいのです」(自叙伝、77ページ)

 私たちは多くの人たちから尽くされて育ってきました。そして生かされています。最も大きな恩を受けたのが父母です。人は物心つく前から、父母から愛されて育ってきたのです。

 陣痛の痛みを越えて出産してくださった恩、お乳や食物を与えて育ててくれた恩、夜泣きをした時、起きてあやしてくれた恩、大小便の世話をしてくれた恩、自分のために苦労して働いてくれた恩、このように数え切れない父母の愛を受けて育ってきたのです。

 そのほかにも、兄弟、祖父母、親戚、町内の人たち、学校の先生や友人たち、あるいは職場の上司、同僚たちなど、実に多くの人たちに尽くされて生きてきたのです。

 でも、その人たちがすでに他界したり、引っ越ししたりして、会えなくなっていることが多いものです。そういう場合、人生の中で出会う人たちに、その人に出会ったつもりで、尽くしていくことが大切なのです。

 人類67億の中で、私たちが出会う人は、そう多くありません。人生にとって必要な人としか出会っていないのです。幸福になるために絶対、必要な人としか出会っていないのです。人間関係の本質的意味はそういうことです。永遠の幸福のために必要な人とだけ神様は出会わせてくださっているのです。その人を愛さなければ私が幸福になれない人との出会い、それが人間関係なのです。

 出会った人に尽くすことが、親をはじめとする多くの世話になった人たちへの恩返しとなるのです。受けた陰徳を、もっと大きく返す道となるのです。

 文鮮明先生は、突然出会った人にさえ尽くしきることが大切だと言われます。

 「突然私の前に助けを乞う人が現れたら、『天がこの人を助けるようにと私に送られたのだ』と考えて、心を込めて仕えます。天が『十を助けなさい』と言うのに、五しか助けないのでは駄目です。『十を与えよ』と言われたら、百を与えるのが正しいのです。人を助けるときは惜しみなく、財布をはたいてでも助けるという姿勢が大切です」(同、74ページ)

 私たちは、人を愛するために人に出会っているのです。(続く)

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 次回は、第十章の「自然万物を愛することが幸福につながる」をお届けします。


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