コラム・週刊Blessed Life 50
箱根駅伝を東海大学が制す!

新海 一朗(コラムニスト)

 2019年の新しい年を迎え、「己亥(つちのとい)」の年をいろいろと占っている人も多いことでしょう。
 その亥年を、二日、三日の年初め早々、劇的な出来事で飾ったのが「箱根駅伝」における東海大学の優勝です。「打倒!青山」を各大学が目指す中、四連覇中の青山学院大学をついに下したのが東海大学でした。

 二日と三日は、「箱根駅伝」の恒例行事という熱狂的なファンが沿道を埋め、また、テレビに見入っている国民の光景は、日本の正月の風物詩として定着していますが、それくらい、「箱根駅伝」は面白くかつ興奮を呼び起こす特別なものであると言えます。

 往復10区間をタイムで争う中で、「往路優勝(往路タイム1位)」「復路優勝(復路タイム1位)」「総合優勝(往復総合タイム1位)」の三つがありますが、当然、いくつかのパターンが生じます。

 三つの優勝を独占する場合、往路優勝のみ、復路優勝のみ、総合優勝のみ、往路優勝と総合優勝、復路優勝と総合優勝のように優勝の型があり、今回の面白さは往路優勝が東洋大学、復路優勝が青山学院大学、総合優勝が東海大学という優勝分けが起きています。

 往路を1位で飾った東洋大学は総合を意識したことでしょう。しかし、復路で東海大学に抜かれ、総合を東海大学が獲得しました。
 出遅れてどうなるのかと心配された青山でしたが、復路に強豪をそろえていたため、猛然たる追い上げを図って意地を見せました。しかし東海大学を捉えることはできませんでした。結局、往路は東洋大学、復路は青山学院、総合は東海大学というタイム争いの激闘が展開されていたことが成績に示されたわけです。

 箱根駅伝の面白さの一つに、箱根の山を駆け上る往路の5区があります。ここで順位が激しく入れ替わる箱根山の戦いが刺激的です。
 順位を落とす大学、順位を一気に上げる大学と、さまざまですが、それが面白いのです。山を素晴らしいタイムで駆け上る選手は「山の神」などと呼ばれます。

 今回の東海大学は往路、復路、共に2位で安定しており、総合の優勝タイムも10時間52分9秒という驚異的な歴代1位の記録を樹立しました。

 もう今から、来年の箱根駅伝を楽しみにしているという御仁(ごじん)も多いことでしょう。私もその一人です。