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青少年事情と教育を考える 307
乳児の「利他の心」を育てるに子供のSNSやスマホ利用の禁止

ナビゲーター:中田 孝誠

 今月(202512月)10日、オーストラリアで16歳未満のSNS(交流サイト)の利用を禁止する法律が施行されました。

 子供たちの心身に与える影響が大きく、誹謗中傷などで自殺に追い込まれることにもなりかねないといった声があり、国のレベルで初めて禁止されることになりました。

 EU(欧州連合)でも保護者の許可を利用条件とする検討が行われるなど、SNSの問題は世界的に広がってきています。

 以前も紹介しましたが、イギリスではSNS12時間以上使用していると精神的健康状態が悪化(不安を感じるなど)し、他の人が人生を楽しんでいるのに自分たちは損をしているように感じる傾向が高くなりました。

 ノルウェーでは、広告やSNSに登場するモデルの画像がデジタルで修正されていて、若い世代が外見をよく見せたいというプレッシャーにさらされるため、写真を加工した時には開示するよう義務付ける法律ができました(総務省『我が国における青少年のインターネット利用に係る調査』2024年6月)。

 SNSに特化しているわけではありませんが、学校でのスマートフォンの使用を禁止する国はいくつかあります。フランスやオランダ、ブラジル、アメリカの一部の州などです。

 日本では今のところ、愛知県豊明市がスマホの使用時間を12時間までとする条例を施行している程度です。ただし罰則などはありません。
 同市の市長は、これが規制を目的としたものではなく、問題提起として家庭で考えるきっかけにしてほしいと述べています。

 これも以前紹介したことがありますが、高校生を対象にした国際比較調査(日本、米国、中国、韓国の高校生が対象。国立青少年教育振興機構『高校生のSNSの利用に関する調査報告書』20247月)によると、SNSを利用している高校生は各国とも9割以上で、日本の高校生の利用時間は平日が「12時間未満」(26.7%)から「23時間未満」(25.3%)、休日には7割の生徒が3時間以上でした。

 また、悪口や嫌がらせのメッセージを送ったり書き込んだりする行為に対して「何があってもダメ」という回答が89.2%で日本が最も高くなっています。

 一方で、SNSの利用によって、日本の高校生は「学習に対する意欲が高くなった」は他国より低い25.8%にとどまり、「時間を管理する能力が低くなった」は最も高いという結果でした。

 これまで日本では、特に低学年の場合、フィルタリングや家庭でのルール作りなど、保護者に対応が委ねられる傾向にありました。
 今後の対応については、インターネット利用と青少年の保護に関して、こども家庭庁のワーキンググループで議論されているところです。