2025.10.14 17:00

世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
公明、自民との連立を強引に解消
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、10月6日から12日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
坂口志文(しもん)氏がノーベル生理学・医学賞を受賞(10月6日)。北川進氏がノーベル化学賞を受賞(8日)。ガザ戦闘終結、イスラエルとハマスが「第1段階」を合意(8日)。中国政府、レアアースの輸出管理を強化発表(9日)。公明、自民との連立を離脱(10日)。米国、中国に追加関税100%課す意向を発表(10日)。北朝鮮、朝鮮労働党創建80年記念軍事パレード実施(11日)、などです。
公明党の斉藤鉄夫代表は10月10日、自民党の新総裁・高市早苗氏との会談で連立の解消を伝えました。
会談後記者団に、自公連立について「いったん白紙にして、これまでの関係に区切りを付ける」と述べています。
解消の理由については、自民に求めた企業・団体献金の規制強化や政治資金の不記載問題の真相解明が不十分だったことを挙げたのです。
自民総裁選から3日後の10月7日、高市総裁は公明の斉藤代表と会談しました。そこでは連立継続の条件として、企業・団体献金の規制強化が必須であることが共有されましたが、最終結論には至りませんでした。
その後9日夜、公明党本部で中央幹事会が開催され、リモートも含めて出席した地方議員から連立協議について賛否両論が上がり、最終的には連立協議を巡る対応を斉藤代表に一任することが決定されたのです。その翌日、連立解消を高市総裁に告げることになったのです。
高市総裁は、党に持ち帰って検討し結論を出すので3日ほど待ってほしい、と申し入れましたが受け入れられませんでした。
公明は、「政治とカネ」の問題故の連立解消というわけですが、これまでの経緯をたどれば、それは違います。
公明は、ポスト石破に苦悩していました。保守色の強い高市氏に拒否感を持っていたのです。
石破首相が辞意を表明した後の9月7日、斉藤代表は「保守中道路線で、私たちの理念にあったかたでなければ当然連立政権を組むわけにはいかない」と述べ、自民党総裁選にその時点で注文を付けています。
公明は「平和の党」を標榜し、中国をはじめとしたアジア各国との良好な関係を重視してきました。
ある公明幹部は「高市氏になれば、連立を組めないかもしれない」と漏らしていたといいます。(産経9月10日付)
さらに斉藤代表は、高市総裁との会談(10月7日)前の6日、駐日中国大使・呉江浩氏と議員会館で面談しています。
連立解消判断に影響を与えたのではないかといわれるのは当然です。
公明の政治資金規正法改正案は、企業・団体献金を受け取ることができる対象を、党本部と都道府県単位の組織に限定するように求めたものです。
この案、すなわち収支報告書をオンラインで公開する党支部に対しては献金の受け取りを認めることについては、自民、国民民主両党と公明は3月31日に合意していたはずです。
高市総裁との会談で、持ち帰って党内で検討する猶予を与えないという公明の要求は、無理を承知で連立離脱の理由を作りたかったと映ります。
注目は首班指名選挙となります。
予想では臨時国会召集日の10月21日となるでしょう。高市総裁との会談で斉藤代表は、首班指名では「斉藤代表」と書くことを伝えています。
衆参両院で指名選挙は行われますが、衆院の結果が優先されます。
自民は197議席ですので、野党一本化の場合(立民、維新、国民民主、れいわ、共産、有志・改革など)は244議席となり、過半数(233)を超えるのです。そうなれば政権交代となります。
国民民主党の榛葉賀津也(しんば・かづや)幹事長は、「異なる主義主張の党と打算で一緒に行動することは考えていない」と述べ、日本維新の会の藤田文武共同代表は「数合わせで勝負するつもりはない」と述べています。
政権交代の可能性は低いですが、何が起こるか分からないのが政治です。
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