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シリーズ・「宗教」を読み解く 382
ユダヤ・キリスト教の歴史に見る選民の共同体①
聖霊降臨によって誕生した共同体

ナビゲーター:石丸 志信

 「七週の祭り(ジャブオット)」といわれる五旬祭の日、復活されたイエスによって赦(ゆる)された弟子たちが集い、一つとなって祈るところに聖霊が降臨した。
 12使徒を代表してペトロ(ペテロ)が立ち上がり、この出来事を解き明かし、イエスがメシヤであることを堂々と証しした。

 彼の言葉に心打たれた人々は「わたしたちはどうしたらよいか」と尋ねた。これに対してペトロはこう返した。

 「悔い改めなさい。めいめい、イエス・キリストの名によって洗礼を受け、罪を赦していただきなさい。そうすれば、賜物として聖霊を受けます」(使徒言行録 第238節、新共同訳)

 彼の言葉を受け入れた人々は洗礼を受け、この日のうちに3千人が仲間に加わったという。
 ここに、12使徒、120門徒らを核としながらイエスをメシヤ(キリスト)と仰ぐ新たな共同体が誕生した。
 神に呼び集められた者たちはこれを「エクレシア」と呼んだ。

 この共同体の様相を使徒言行録(使徒行伝)は次のように描いている。

 「すべての人に恐れが生じた。使徒たちによって多くの不思議な業としるしが行われていたのである。信者たちは皆一つになって、すべての物を共有にし、財産や持ち物を売り、おのおのの必要に応じて、皆がそれを分け合った。そして、毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していたので、民衆全体から好意を寄せられた。こうして、主は救われる人々を日々仲間に加え一つにされたのである。」(使徒言行録 第24347節、新共同訳)

 当初、ユダヤ教の一派として登場した新たな共同体は、やがて異邦人の間に広がり、ユダヤ教の伝統を引き継ぎながらもそこから離れ、「キリスト教会」の伝統を形成していくことになる。

 出発点において彼らは、物心両面において全てを共有していたと聖書は語っている。
 分けても心一つに祈り、神への賛美を絶やすことがなかった。それが共同体を発展させるエネルギーを生んでいく。

 その中心には創造主である父と子であるイエスと聖霊が在るのを知っていた。
 彼らは、イエスの死と復活を目撃し、聖霊によって生まれ変わったという共通の体験を持っていたからである。



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