2025.10.05 22:00

ダーウィニズムを超えて 131
アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。
統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著
第九章 科学時代の新しい神観
(二)統一思想による新しい神観
(4)心情の神
—愛による創造—
2. 現代科学の立場から見た宇宙創造の原因
最新宇宙論は宇宙の誕生を追求しているが、宇宙の創造の原因は何かという、究極的な問題にも迫ろうとしている。アメリカの宇宙論学者マイケル・ターナー(Michael Turner)は、それにはさらなる探求が必要であろうと語っている。
時間をわずかでもさかのぼるためには、まだ分かっていないさらなる知識が必要だろう。……もしそうであるならば、みんなが知りたいと思っている、何が創造の原因となったか、という質問への答えを得るまでに、永遠ではないにしても、かなり長い時間がかかるかもしれない(*26)。
レーダーマンは、「ヒッグス以前は、対称性と退屈、ヒッグス以後は、複雑性と興奮。……神様が宇宙をいかにおつくりになったかの想像図は、いずれもヒッグスボソンの発見にかかっている(*27)」と言って、ヒッグス場あるいはヒッグス粒子を解明することによって、神が宇宙をいかに造られたのかを明らかにすることになると見ている。
アメリカの物理学者のジョン・ホイーラー(John A. Wheeler)は、「プランクの壁」(物理学が追求できる限界点)の向こうに答えを得ることができるのではないかと考えている。
私の考えでは、そのすべての根底には、方程式ではなく非常に簡単な概念があるにちがいない。そして、ついに見つかったとき、その概念があまりに強制的であまりに必然的なので、私たちは互いに「おお、なんて美しいんだ。これしか考えられない」と言い合うことになると思う(*28)。(太字は引用者)
ジョン・ホイーラーが語っているように、数学的な方程式を超えた、何か単純な概念で表される美しい解答があるのではないかと期待されるのである。
*26 ティモシー・フェリス、野本用陽代訳『銀河の時代』工作舎、1992年、下巻、194頁。
*27 レオン・レーダーマン、高橋健次訳『神がつくった究極の素粒子』草思社、1997年、下巻、280~283頁。
*28 ティモシー・フェリス『銀河の時代』下巻、194頁。
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次回は、「新しい創造論」をお届けします。