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死後の世界とは 5

 『グラフ新天地』2003年9月号に掲載された特集記事を、編集部が再編集してお届けします。

人間の生は3段階で完成

永遠の世界への誕生
 人間の生命は3段階からなっています。第1の段階は、母親の胎内における約10カ月間(普通十月十日という)です。胎児はへその緒を通して栄養分や酸素をもらい、羊水の中で逆さになって成長しています。その間に、地上で生きるための一切の準備をします。目、鼻、口など、全て備わっているのです。

 そして地上に生まれ出た瞬間に肺呼吸が始まり、へその緒が切られることで、胎中の生命が否定されるかのように見えます。しかし、それは胎中生活の終了と同時に、地上での肉身生活の出発となります。これが第2段階です。

 第2段階の地上における生命は、健康な人で80年から100年前後です。地上生活では肉身の活動を通して、知情意の感性を高めながら、真の愛に生きる人間となることが大切になります。それは人格の完成、魂(霊人体)の完成ともいえるでしょう。

 そして肉身を脱いで霊界の生活に入ってからが第3の段階です。地上では人間としての死のように見えますが、肉身での人生を終えることで、それは同時に、霊人体の誕生を意味しているのです。霊界は永遠の世界で、そこからが人間の本当の生命ともいえるでしょう。しかし人間はそれを知らないために恐怖を感じるのです。ですから生きている間に、霊界の知識、霊界の主人である神様の心情などを知らなければなりません。

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肉身の善行で霊人体も善化
 人間の肉身は、肉心と肉体からなっています。霊人体は肉身の主体として創造されたもので、生心(せいしん)と霊体からなっています。生心とは、神様が臨在される霊人体の中心部分です。肉身から霊人体に与える要素を生力要素、霊人体から肉身に与える要素を生霊要素といいます。

 肉身が善の行動をした時には心がうれしく、悪の行動をした時には不快に感じますが、これは生力要素が霊人体へと回っていく証拠です。肉身の善行や悪行によって、霊人体も善化あるいは悪化するのです。

文鮮明先生のメッセージ
永遠の愛に躍動する世界

地上生活は霊界への準備期間
 霊界の存在を知る人は、この世の人生はつかの間であり、死後、私たちが迎えるべき世界こそ永遠であるということを知っています。一生の期間とは、永遠の世界へ行く準備をするための期間なのです。

 地上生活が重要です。「死んで天国に行く」と考える人もいますが、地上で完成しなければなりません。地上で種を蒔(ま)いたものが天上世界で実を結ぶのです。

 地上生活は、胎内にいた時のように空気中で泳ぎ回って暮らすのと同じです。空気のふろしきの中で生きているのです。死ぬこととは特別なことではなく、第三の人生として出生することです。

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 「死後の世界とは」は、今回が最終回です。ご愛読ありがとうございました。