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死後の世界とは 1

 『グラフ新天地』2003年9月号に掲載された特集記事を、編集部が再編集してお届けします。

 人間がこの地上で肉身(※)を持って生きている限り、避けることのできないのが「死」の問題です。肉身の死を迎えることで人生が終わってしまうのでしょうか、それとも死後の世界(霊界)というものが存在しているのでしょうか。このようなことは、誰もが一度は真剣に考える問題ではないでしょうか。

 人間は太古から、家族や大切な人が亡くなると丁重に葬り、墓前に手を合わせて故人の冥福を祈ってきました。

▲墓前に供物をささげる少女

 また臨死体験のように、死後の世界を垣間見てはその内容を証言する人もいます。

 死後の世界が実在していることを踏まえた上で、霊界との関わりが身近にあること、肉身の死が霊界への旅立ちであることなどを紹介し、死後の世界がどのような世界なのか、地上世界と霊界との関係はどのようなものかを考えます。

身近な霊界との関わり

 犬をはじめ、動物がその親の墓参りをすることがあるでしょうか。古来、先祖や故人を大切に思い、いつまでも霊として祀(まつ)るのは人間だけです。

▲犬がその親犬の墓参りをすることはない

 日本でも一般的に家の中では、仏壇に向かって手を合わせたり、墓前で花をささげたりするなど、お盆の季節には各地で先祖を慰める行事が行われます。

 もし、人の生涯がその肉身の死をもって全てが終わってしまうならば、先祖を祀るということ自体が意味のないことになります。たとえ目に見えなくても、霊となった先祖たちが共に見守っている、と考えてもよいのではないでしょうか。事実、先祖を大切にする家は栄えているようです。

▲死者の魂を弔うために灯籠に火をともして海や川に流す灯籠流し

 また、霊を敏感に感じる人は、亡くなったかたの気配を感じたり、夢に出てきたりという証言がいくつもあります。芸術作品を見ても、霊と接したり、死後の世界を体験したりするというテーマは、古今東西で描かれてきました。このように私たちの生活は、霊との関わりを無視することはできません。

 果たして、死後の世界を全く否定することはできるのでしょうか。


※肉身:統一原理では、「肉体」と生理的機能を維持するように導く「肉心」を併せて「肉身」と呼ぶ。

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 次回は、「死は終わりではなく、旅立ちの時」をお届けします。