【B-Life『祝福家庭』コーナー】
『祝福家庭』104号(2022年春季号
夫婦で楽しく取り組む妊活 7
不妊治療(後)
男性の健康と新常識

家庭カウンセラー 内田由喜

 不妊治療は、一般不妊治療と生殖補助医療(ART)に分けられます。それぞれの特徴や治療の主な流れを説明します。

【一般不妊治療】

●タイミング法
 医師が妊娠しやすい日時に性交渉を持つタイミングを指導する方法です。基礎体温を記録したり、排卵検査薬を用いたりして自分で妊娠しやすい時期を判断する方法とは異なります。
 自分で排卵日を予測していた段階から、病院でタイミングを指導してもらう段階へ移ることが、妊娠へのファーストステップとなります。年齢や体の状態に応じて、3か月から1年ほど続けることが多いです。進め方は次のとおりです。
1.おおよその排卵日を予測
 基礎体温表などから、排卵日を予測。
2.排卵予測日を修正
 最初に予測された日の3日ほど前に病院で超音波検査を受け、卵胞のサイズを測って予測日を微調整する。
3.夫婦生活をする
 2の結果、予定どおり3日後くらいに排卵の予定なら、予測日がずれた場合に備え、一度、夫婦生活を持つ。
4.指定された日に夫婦生活をする
 医師はできるだけ排卵直前になるようにタイミングを指定してくれるので、それに合わせて夫婦生活を持つ。
5.排卵確認&ヒューナーテスト
 夫婦生活の翌日に、排卵したかどうかを超音波検査で確認。ヒューナー(フーナー)テストで子宮の入り口の粘液に精子がどれくらいいるかをチェックする。
6.黄体機能を調べる
 1週間後、黄体ホルモンの分泌量と子宮内膜の厚さを確認する。

●人工授精
 採取した精液を排卵に合わせて子宮内に直接注入する方法で、3~6か月ほど試みます。
1.排卵日予測
 タイミング法と同じく、基礎体温表や超音波検査で排卵日を予測。
2.排卵日に採精
 排卵日検査薬で陽性になったら、専用容器に精液を取って病院へ。
3.精子の洗浄、濃縮
 精液をそのまま注入するのではなく、元気な精子を選び、濃縮する。
4.子宮内に精子を入れる
 専用のカテーテルを子宮内に入れ、0.20.5ミリリットルの精液を注入。
5.タイミングの確認
 後日、超音波検査で排卵を確認。

【生殖補助医療(ART)】

 精子や卵子、胚(受精卵)を体外で取り扱う治療のことです。体外受精による妊娠が1978年(英国)、顕微授精による妊娠が1992年(ベルギー)に世界で初めて成功して以来、不妊治療は年々進歩してきました。2019年には、日本で年間約6万600人がARTによって生まれています。これは、全出生数の14人に1人ほどになります。
 一般不妊治療との決定的な違いは、精子と卵子の出合いが女性の卵管内ではなく、体外で行われるという点です。

●体外受精
 体内から取り出した卵子に精子をふりかけて受精させる方法です。
1.卵胞を育てる
2.卵子を体外に取り出す
3.卵子に精子を振りかける
4.受精が成立したら、培養を続ける
5.受精卵を子宮に戻す
6.ホルモン剤などで、妊娠しやすい環境を整える

●顕微授精
 体内から取り出した卵子に、細い針で一つの精子を直接注入する方法で、そのほかは体外受精と同じです。
 顕微授精はもともと、重度の男性不妊(乏精子症、精子無力症、閉塞性無精子症など)を克服するために考えられた方法です。以前は、体外受精の次のステップと考えられていましたが、技術が進み、安全性がほぼ確立した今日では、国内での体外受精と顕微授精を合わせた治療の約6割が顕微授精となっています。
 体外受精、顕微授精では排卵誘発剤を用いて複数の卵胞を育てます。胚が多く得られれば、それだけ妊娠の可能性は高まります。多く得た胚は、体内に戻すタイミングまで凍結して保存することができます。

 治療を始めると女性の通院が多くなりますが、子女を授かるために夫婦で受ける治療です。病院選びも夫婦で進めましょう。迷ったら総合病院へ行き、男性は泌尿器科、女性は婦人科を受診してくださいふたりの原因に合わせて、最善の治療ステップからスタートできるようにしましょう。

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 このような内容が盛りだくさんの『祝福家庭』を、是非一度手にとってみてください。

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