青少年事情と教育を考える 299
保護者の姿勢次第で子供が「幸せな気持ち」に

ナビゲーター:中田 孝誠

 文部科学省が今月初めに「全国学力・学習状況調査」(令和6年度)について、過去との変化を分析した結果を公表しました。

 この中で、保護者が子供に接する姿勢次第で、子供が勉強意欲を持ったり、「幸せな気持ちになる」など前向きになる傾向が見られました。
 調査では、保護者から見た子供たち(小6、中3)の学校外での時間の過ごし方を聞いています。

 例えば、平日の学校外での勉強時間は小学生が1時間3分(令和3年度は1時間9分)、中学生は1時間23分(同1時間34分)で、いずれも3年前より減少しています。

 一方、テレビゲームは小学生が1時間43分(同1時間25分)、中学生は1時間48分(同1時間26分)、スマホは小学生1時間5分(同43分)、中学生1時間56分(同1時間36分)で、3年前より増えていました。中にはスマホを2時間以上使う割合が、小学生25.8%、中学生53.3%で、3年前より10ポイント以上高くなっています。

 分析では、テレビゲームの時間が長くなったり、スマホの時間が一定程度を超えると、教科の得点が下がる傾向が見られたりしました。スマホを持っていてもほとんど使用しないか、使っても1時間以内の方が、平均点は高くなっています。

 また、保護者が「子育ては楽しい」「学校での出来事を話す」「将来や進路について話す」「スポーツ観戦やスポーツ施設に子を連れていく」ことが多いと、子供が「幸せな気持ちになる」や「夢や目標を持っている」「自分にはよいところがある」など、前向きな気持ちになる傾向があります。
 逆に、テレビゲームやSNS、動画視聴の時間が長い子供は、上記のように前向きに考えない傾向が表れていました。

 保護者が少しでも子供と接する時間を持ち、話しかける。ちょっとしたことであっても、親次第で子供の人生に良い影響を与えられるということでしょう。