スマホで立ち読み Vol.38
『“人さらい”からの脱出』18

小出浩久・著

(光言社・刊『“人さらい”からの脱出 違法監禁に二年間耐え抜いた医師の証言』〈2023年11月20日改訂版第2刷発行〉より)

 スマホで立ち読み第38弾、『“人さらい”からの脱出』を毎週水曜日(予定)にお届けします。
 2年間にわたる拉致監禁後、「反統一教会グループ」の一員として活動した経験のある筆者。そんな筆者が明らかにする、「脱会説得」の恐ろしい真実とは。

---

1 15カ月間の監禁生活

四、新潟での説得、逃げ回る生活の始まり③

 「統一原理は真理でしょ。なら少しでも間違いがあったらダメなんじゃない」この発言も元信者から幾度となく聞いた。

 私はそのたびに「『原理講論』の表現に理解しにくい部分があることは認める。しかし『原理講論』全体が伝えようとしている内容が、真理かどうかなのかが問題の本質だ」「君たちが統一原理によって学んだのは神と人間の心情圏で、それこそ真理。言葉だけが真理ではない」と懇々と説いた。

 信仰をもっていたときの彼らも、文字の奥に潜む本質をつかもうと努力していたではあろう。しかし彼らは、監禁されて説得を受ける中で、記述されている表面上の文字ばかりに目を向けるように〈強いられ〉、書かれている内容の本質に心を向けられないような思考方法にさせられてしまっていた。

 『原理講論』があらわそうとしている神の喜びと悲しみ、苦しみをくみ取り、その心情の解放のために自分たちの行動があることを忘れさせられてしまった。

(続く)

---

 次回は、「逃げ回る生活の始まり④」をお届けします。



「一気に読んでしまいたい!」というあなたへ

『“人さらい”からの脱出』を書籍でご覧になりたいかたは、コチラから