2025.07.24 12:00
ほぼ5分で読める勝共理論 87
安倍政権の功績④
安全保障政策を強化した安倍政権
編集部編
7月8日、安倍晋三元首相の命日(没年67歳)を迎えました。
安倍元首相への追悼の思いを込めて、6回に分けて「安倍政権の功績」について考えてまいります。
平和安全法制の目的
今回は、安倍政権の安全保障政策についてですが、2回に分けてお届けします。
安倍政権のもとではさまざまな安全保障政策が強化されました。
例えば、「平和安全法制の制定」「自衛隊の増強」「尖閣諸島周辺海域での対応の強化」「特定秘密保護法の制定」「沖縄基地移設の推進」などです。
ミサイル防衛についての談話も発表しました。
これ以外にもたくさんあります。いずれも重要なものなのですが、今回はその中でもとりわけ重要な、平和安全法制について説明します。
平和安全法制とはどういうものでしょう。実は「平和安全法」という一つの法律があるわけではありません。
自衛隊の活動の根拠になっている法律に「自衛隊法」という法律があります。
他にもいろいろな法律があるのですが、安倍政権はそれらの10本の法律をまとめて改正しました。
このことを「平和安全法制」と呼んでいます。
平和安全法制の目的は大きく二つあります。
一つ目は、集団的自衛権の行使を限定的に認めたことです。
二つ目は、自衛隊の海外での活動の幅を広げたことです。
ここでは集団的自衛権について説明します。
集団的自衛権
さて、「集団的自衛権」という難しい言葉が出てきました。これをできるだけ分かりやすく説明します。
「自衛権」というのは自分の国を守る権利です。「集団的」というのは、文字どおり集団でやることです。
ある国が攻撃された時、その国の軍隊だけでは守れないので、他の国と一緒になってみんなで協力して国を守ろう、これが集団的自衛権の考え方です。
話を分かりやすくするために個人のレベルの話をしてみましょう。
例えば、皆さんが歩いている時に暴漢に襲われたとします。その時、皆さんが人を殴れば暴行罪になりますが、その暴漢から逃げるために殴ったのであれば捕まりません。
その理由は、殴ったことが正当防衛になるからです。そして他の人が逃げるのを手伝ってあげても構いません。
小さな女の子が暴漢に絡まれているとしましょう。
少女が一人でその暴漢を殴って逃げることは難しいのですが、そういう場合に、それを見た人が少女が逃げるのを手伝うために暴漢を殴ったとすれば、これも正当防衛になるわけです。
この権利を国に認めたものが自衛権の考え方です。
自分の国だけで守れば個別的自衛権です。しかし世界には貧しくてまともな軍隊がない国も多くあります。
中国の周辺の国々は、大半が貧しい国なので、自分の国だけでは中国の脅威から自国を守ることができません。
そういう場合に、強い国と同盟関係を結んで攻撃されたら一緒に守ろう、一緒に反撃しようと約束することができるわけです。
こうして、攻撃されないように相手をけん制するのです。これが集団的自衛権の考え方です。
国際法では、個別的自衛権、集団的自衛権をそれぞれ認めています。それが国としての当然の権利であって、国際平和を守るために必要だと考えられているからです。
憲法9条
ところが日本では憲法9条があって、戦争はできないと書いてあります。
これを正直に読むと、日本には個別的自衛権すらもないということになるでしょう。
しかしそれはさすがにおかしいわけです。攻撃されて何もできなければたくさんの人が犠牲になります。
一方で憲法には、「国民の幸福追求権を最大に尊重する」と書いてあります。
国民の幸福は尊重するが、犠牲は仕方ない。そんな話はないでしょう。
それで日本では、「憲法には戦争はできないと書いてあるが、それとは別に、自衛権は認められる。(憲法の条文には)書かれてはいないが自衛権は認められるのだ」と解釈をしてきたのです。
これは苦肉の策です。かなり無理やりな話なのです。
ですから本来は憲法を変えればいいのですが、憲法を変えようとすると「戦争が起きる」と言って反対する人たちがいるので、仕方がありません。これが日本の現状です。
では、ここからどういう問題が起きてきたのでしょうか。
この続きは次回、説明します。
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