2025.07.22 17:00
世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~
参院選与党惨敗、首相退陣は必至
渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)
今回は、7月14日から20日までを振り返ります。
この間、以下のような出来事がありました。
米、露へ関税100%の考え示す(7月14日)。中国GDP(国内総生産)減速、5.2%と中国国家統計局が公表(15日)。中国、アステラス社員に実刑、懲役3年6カ月を言い渡す(16日)。第27回参議院選挙で与党惨敗(20日)、などです。
第27回参議院選挙が7月20日に投開票されました。
選挙は、参議院248議席の半数125議席の改選です(参議院は3年ごとに半数が改選され、任期は6年)。
与党(自民、公明)は改選50議席を目標としました。それは、非改選議席と合わせれば全体の過半数を超えるからです。
結果は、与党の目標を達成できず惨敗となりました。このままでは政治は一層混乱することになります。
以下、各政党の改選前と改選後の獲得議席です。それぞれ6年前に獲得した議席との比較してみます。
自由民主党は57議席→39議席、公明党14議席→8議席、立憲民主党17議席→22議席、日本維新の会10議席→7議席、共産党7議席→3議席、国民民主党6議席→17議席、れいわ新選組2議席→3議席、参政党1議席→14議席、社民党1議席→1議席、日本保守党0議席→2議席、チームみらい0議席→1議席、NHK党1議席→0議席、諸派0→1議席、無所属9議席→8議席、となりました。
今回は、新興の保守政党が大躍進しました。特に参政党と日本保守党です。いずれも安倍晋三元首相を尊敬する党首が率いています。
自民党惨敗の最大の原因は、自民党を支持していた保守層が離れてしまったことです。
根本原因は、経済、社会保障政策などではないのです。
躍進した参政党は地方議員が150人以上、地方支部組織は200以上あり、大きく伸びる基盤となりました。
政府による家庭連合への対応は宗教迫害と主張したNHK党・比例代表候補の浜田聡(さとし)候補は約33万票を獲得しましたが、残念ながら当選できませんでした。
今回の選挙は、若者の投票率が高かったことも特徴の一つです。特に、SNSの影響が大きい選挙でした。
今後の展開ですが、まず政権の形です。
①石破政権の続投、政策別・部分的連携、②大連立としての自公と立憲民主党の連立政権、③野党連合政権、④石破首相の退陣、政策別・部分的連携です。
石破氏は立憲民主党との大連立を模索しているとの情報もありますが、現実的には今後与党は一部野党と政策を中心とする部分的連携になると思われます。
石破氏は続投の意欲を示していますが、昨年の衆院選、東京都議選、今回の参院選と極めて重要な選挙に3連敗しており、強い反発が党内から出ると予想されます。
責任論が沸騰し、続投は無理ではないかと思われます。国政選挙で2連敗した総裁が続投した例はありません。
今後の鍵を握る人物、麻生太郎氏は「続投はあり得ない」と明言しています。今後、石破氏続投派との「闘い」になると思われます。
何よりも石破氏では次の衆議院選挙には勝てないとの思いは共通なのです。
高市早苗氏への期待、岸田文雄前首相の再登板説なども出ています。
今後、保守層の分裂により左翼勢力の一層の伸長が予想されます。
厳しい戦いが続きますが、自民党も解党的な出直しが求められます。
厳しい経済や安全保障の状況を考えれば日本の戦後最大の存亡危機に直面しているといえるのです。
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