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心情開拓
心霊を育てる生活原則(213)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』〈200549日第3版発行〉より)

24 真を求めよ
(1994年10月23日 札幌教会)

▲李耀翰先生

自分を「真」化しましょう

 起きるのもだれよりも先に起きよう。集会にもだれよりも先に参加しよう。これが勝利の生活です。体の弱い人は、負けて暮らした証拠です。体の強い人は、勝利して暮らすからです。簡単です。心の基準、関係の基準を下げずに勝って暮らしましょう。毎日競争するのです。毎日、私たちは競争心をもって暮らしているのです。それは、負けたくないからです。その精神で暮らさなければなりません。

 けさ、あまりにも貴重な話をしました。だれよりも先頭に立って暮らしながら、後ろの人のために泣きながら、自分がまず「真」化しましょう。やはり勝利すれば、負けた人のために心を尽くさなくてはなりません。朝早く起きると、自分が起きたのちにみなぱーっと起きてくるのを願うのに、だれも起きない。その起きないのを見て批判したり、讒訴(ざんそ)したりすべきでしょうか、泣くべきでしょうか。自分が先頭に立って勝ったなら、ちょっと傲慢(ごうまん)になる面もあります。「こいつ。お前たちは毎日負けている」、こう言って傲慢になりやすいのですが、負けた人の重荷、何か精神的に引っ掛かったものを、自分の心で、憐(あわ)れみでもって痛みを感じてあげるのは、勝った人の悲しみです。メシヤの悲しみ。夫婦の悲しみ。悲しみをもたないと勝利することはできません。それだけは頭に入れておいてください。これは、一生の秘訣です。聖書をもう一度読みながら、神様の悲しみをもう一度感じてください。

 お母様は食口(シック)たちの姿勢に対して、電話で私に「激励することはできないのか」と話されました。それが私の課題です。お父様が私を日本に派遣された理由は何でしょうか。「原理」を教えに来たのではないのです。皆さんが、分かっていながら何か発動できないので、心情を発動させるために来たのです。どこか故障した人であり、故障した家庭、教会です。それをはっきり指摘して、直してあげれば自動的に発動できるはずなのに、それがなぜできないのか、というのがお母様の質問でした。その問いかけから逃げることはできません。

 私が来ていても、皆さんが直らなかったならば、結果的に私は邪魔者になります。修理センターに自動車を任せて直せなかったならば、その修理センターには再び行きません。

 その例えと同様に、皆さんの中で直る人が出てこないと、私が来た意味がなく、何もプラスになっていない立場になるわけです。何か皆さんのためにならなくてはいけない。それが私の心配です。皆さんが正しい姿勢で、正しい生活をすることができるようにしなくてはならないのです。

 夫人たちが、多くの難問題をもって私のところに相談に来ました。その相談の中で、ある夫人は、家庭環境、主人との関係、自分の事情がいくつも重なって、重荷になって葛藤(かっとう)していました。それに対して、私は「それが歴史です。あなたの家庭が歴史を縮小した事情であり、それが神様の事情なのです」と話しました。ですから、神様が今問題視しているものが、そっくりそのまま現れているのです。神様なくして自分の心配だけがあるから、重荷になって、自分が死にそうになったのです。

 ですから、「その悲しみや心配を見て、神様につなげれば自分が生きる」と話しました。自分の事情が神様の事情であると頭で分かれば、神様も同じ事情を抱えて悲しんでおられる方だということが理解できます。そうすれば、通じます。ですから、涙が出ます。すっきりします。自分の事情にいつまでも沈んでいるのではなく、超越します。これが歴史的問題であり、これが世界的問題であると悟った時に感激します。

 神様を慰めなくてはならない自分です。そうしなければ、自分自身が超越できません。自分自身が復活できないのです。悲しみを神様につなげることによって、その夫人は重荷から解放されました。けさの祈祷も同じことです。歴史的苦痛や神様の悲しみの同伴者になるのです。

 同伴者という考えは、子供が親を捨てて、故郷から離れて苦労する時に、お父さんの苦労と子供の苦労は同じだということと同じです。子供は親の愛を失って寂しい。一方、親も子供の愛を失いました。親は子供が家を出たあと、一時も子供のことを忘れることはできません。苦痛の同伴者なのです。

 ですから、私たちは歴史をさかのぼって、神様と真の父母の悲しみはこれだと、自らお父様の悲しみを慰めていきましょう。そこで神様と連結し、天運が動くのです。

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 次回は、「両親伝道と主人伝道のポイント」をお届けします。


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