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心情開拓
心霊を育てる生活原則(212)

 原理を生活化するために、李耀翰(イ・ヨハン)先生(1916~2019)が信仰のイロハを日本人の心情を分析しながら説かれた講話集、「心情開拓~心霊を育てる生活原則」を毎週金曜日配信(予定)でお届けします。
 家庭連合の教会員の皆さまはもちろん、世代を超えて多くのかたに読んでいただきたい書籍です。

李耀翰・著

(光言社・刊『心情開拓~心霊を育てる生活原則』〈200549日第3版発行〉より)

24 真を求めよ
(1994年10月23日 札幌教会)

▲李耀翰先生

主体者の悲しみと共にある自分

 聖書をもう一度読んでみてください。イエス様の話の中にどれほど悲しみが満ちているでしょうか。旧約聖書の「創世記」を読んでみてください。神様の悲しみがどれほど満ちているでしょうか。お父様の祈祷文を読んでみてください。お父様がどれほど悔しい、悲しい心情で祈祷されたでしょうか。

 真を求める人は、ずっと悲しい路程を行きます。悲しむ人を憐(あわ)れみ、悲しい家庭を憐れみます。家庭の中でだれが一番悲しむかというと、夫人が悲しみます。男性は自分勝手の実体です。自分を絶対視して、相手を利用するのが男性です。男性は、「自分がすべてである」という存在です。女性は、その自分を100パーセント視する男性という存在に、圧迫されて悲しんできました。

 ですから、家庭訪問をする時、まず自分たちが悲しい告白をして、相手の悲しみを求めなくてはなりません。家庭訪問をする人は、よく聞いてください。自分の悲しみを告白すれば、相手の悲しみを聞くようになります。悲しみと悲しみが合います。日本人はあまり自分のことについては告白しません。韓国に来た人たちの中で、3年間同じ環境で生活しながら、相手の故郷とか、何人兄弟の何番目が統一教会に来たのかとかを、お互いに知らずにいた人がいました。私が訪問して尋ねた時に、初めて聞いたということです。

 あなたは信仰歴は何年になりますか?(5年です)。5年間で先輩とか、兄弟関係でとても親しく交流した人がいますか? あまり告白しませんね。新しく入教した青年たちと会った時に、何について話すのですか。自分を告白しないのですか。自分が、み言(ことば)を通じてどういうものを求めながら、何を悟ったのか。そして、それをなぜ悟り、どういうふうに悟ったのかということを、悔い改めなくてはならない人に証(あか)すのです。これは、貴重な話ですが、実践は難しいのです。

 夫婦がお互いに嫌なところを見て、涙がすぐ出ますか。出ませんね。自分の子供がちょっと悪いことをした時、気持ち悪くなる親は多いけれども、悲しむ親はなかなかいません。自分の子がわがままを言って勉強をしたがらない、起きるのも自分勝手に起きる。そのことで泣きながら、このままいったらこの子は滅亡だ、死亡の路程だと悲しむ親はなかなかいません。

 自分を否定することは、悲しみではなくなります。主体者の悲しみと共にある自分にならなければ、真は認められません。負けて暮らしたくない。勝利して暮らしたい。その勝利の基準は何かというと、自分の本性を誇らしくして暮らすことです。

 勝利した人は自分の本性を絶対視して暮らします。そして家庭であれば、相手を喜ばす基準を絶対的なものとして、「ために」暮らします。これが勝利者です。「ために」暮らすのが勝利者です。

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 次回は、「自分を『真』化しましょう」をお届けします。


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