スマホで立ち読み Vol.39
『今輝ける真の愛 蘇る神のみ言』5

統一思想研究院・著

(光言社・刊『今輝ける真の愛 蘇る神のみ言』〈2017年3月21日初版第1刷発行〉より)

 スマホで立ち読み第39弾、『今輝ける真の愛 蘇る神のみ言』を毎週木曜日(予定)にお届けします。

 崩壊の一途をたどる現代社会の倫理観。本書は、純潔の重要性や神の創造目的、家庭観について解き、正しい倫理観とは何かを考える一冊です。

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一 人間に与えられた神の言

(一)人間堕落に関する聖典、神話の物語

5)仏教
 今日まで、仏教においては、魔王が天上界(霊界)の霊的な存在か、それとも人間生命の内なる心の働きを擬人的に比喩したものかという問題が論じられてきました。

 釈尊は、菩提樹の下で魔王と闘い、これを退けて降魔成道(ごうまじょうどう/成仏〈じょうぶつ〉)されました。魔王は、命を奪い、功徳(くどく)を奪い、破壊し善を妨げ、讒言(ざんげん)するものです。 魔王を天子魔(てんじま)と呼ぶように、天界の霊的存在であると言えます(※1)。

 『法華経』には「久遠本仏(くおんほんぶつ)」と人間の関係を父子の因縁で説く比喩が多く示されています(※2)。中国の天台大師知顗(てんだいだいしちぎ/中国天台宗の開祖)によれば、人間は本来、「久遠本仏」の本眷属(けんぞく/一族)であるとされています。

 ところが日蓮は「一切衆生(しゅじょう)は、無始以来、かの魔王の眷属なり」と、人間と悪魔の血縁関係を説いています(※3)。すなわち、人間は本来、仏の一族であったのに、悪魔の一族になってしまったと言うのです。では、なぜ人類は魔王の一族になったのでしょうか。それに関して、仏教では明らかにされていません(※4)。


1:竹内清治『慈愛の先祖供養』賢仁舎、2015,134-5.
2:同上、65.
3:日蓮書簡の『兄弟抄』
4:竹内清治『慈愛の先祖供養』137-8.

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 次回は、「『旧約聖書』に書かれている戒め」をお届けします。



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