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ほぼ5分で読める統一運動 54
宗教の連合運動をけん引する統一運動

稲森 一郎

 宗教の連合運動というテーマは、文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻の主導する統一運動において、非常に重要なテーマであり、それは1960年代の後半から現在まで継続している運動の核心的な部分です。

 文鮮明師は以下のように述べています。

 「統一教会は1971年に入ってから、キリスト教の牧師たちを対象に、『統一原理』公聴会を開催してきたのです。完全なアベルになるためには、カイン圏を復帰しなければなりません。そのようにしなければ、アベルとして勝利の位置に戻ってくることはできません。ですから、今日の統一教会が、統一教会のためだけに存在することはできません。それは歴史的運命です」(天一国経典『真の父母経』、1265ページ)

 このように、アベルのために全力を注ぐのではなく、カインのために全力を注いできた統一運動の姿が厳然としてあります。
 統一運動は、宗教の和解と調和一致のために全力投入してきたのです。

 主要な出来事を挙げてみましょう。
 『週刊宗教』創刊(197174日)、「超教派キリスト教協会」創設(197610月、米国)、第1回「世界宗教会議」開催(19771127日)、「新超教派研究協会」創設(New ERA19811月、米国・ニューヨーク)、「世界宗教議会」創立総会(19851116日、米国・ニュージャージー)、第2回「世界宗教議会」(1990816日、米国・サンフランシスコ)、「世界平和宗教連合」創設宣布(1990816日、米国・サンフランシスコ)、「世界宗教協議会」イスラーム指導者会議(19901021日、エジプト・カイロ)、シリアのグランドムフティ歓迎晩餐会(韓国・ソウル)、「世界宗教協議会」アメリカ全体大会(19901219日、米国・ニューヨーク)、英語版『世界経典』奉献(1991815日)、「世界平和宗教連合」創設大会(1991827日、韓国・ソウル)、第3回「世界宗教議会」(1992826日、韓国・ソウル)などです。

 非常にダイナミックな宗教の連合運動が展開されていることが分かります。
 そしてこれら一連のイベントが、最終的に、1991年の「世界平和宗教連合」の創設に帰着すると見ることができます。

 文鮮明師は、「世界平和宗教連合」創設大会の基調講演において、以下のように語っています。

 「私は1985年、アメリカのニュージャージー州で開催された第1回『世界宗教議会』の際に、創始者演説を通して三つのお願いをしました。
 一つ目は、各宗教の伝統は互いに尊重しなければならず、すくなくとも宗教相互間の衝突や紛争を防止するために努力すること、二つ目に、私たちは、宗教共同体として協力しながら世界に奉仕すること、三つ目は、宗教の使命を完遂するために、すべての宗教指導者が参席し、世界平和のための一つの組織で発展しようという内容でした」(天一国経典『平和経』、462ページ)

 このことから、創設される「世界平和宗教連合」は、①宗教間の相互の尊重、②世界に奉仕する宗教共同体、③世界平和のための一つの組織、という目的で人類のために働くという宣言を行ったものと考えられます。

 世界平和の実現に取り組むべき宗教ですが、現実には、宗教間の衝突や紛争があり、宗教が持つ本来の平和実現を必ずしも志向していない側面が見られます。

 文師は、宗教の持つ平和志向の肯定的側面を全面的に発揮していく組織として「世界平和宗教連合」(世界平和のための宗教連合体)というプラットフォームを準備したので、全ての宗教が一致団結して結集し、偉大な「神の下の人類一家族世界」のピースメーカーとなろう、と呼びかけたのです。