https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4316

ほぼ5分で読める統一運動 53
復帰の鍵は「氏族的メシヤ」にあり

稲森 一郎

 40年間の荒野路程(19451985年)を歩んだ統一運動(統一教会=現・家庭連合)は、1985年から1992年までの7年路程を、1945年から1952年までの7年路程の蕩減復帰として歩まなければなりませんでした。

 統一教会において祝福を受けた祝福家庭が世界規模で広がる基盤形成がなされましたので、これらの祝福家庭が何をなすべきかという責任的使命を文鮮明(ムン・ソンミョン)・韓鶴子(ハン・ハクチャ)夫妻は明確に宣言されました。

 文鮮明師は祈祷の中で、次のように宣言しています。

 「天のお父様! きょう1989年正月3日午後225分の今この時間を期して、歴史的なすべての内容を明らかにし、天の願われる祖国がどこであるかを確定し、1989年の元旦を迎えたのちに宣布されたこの日の上に氏族的メシヤが来るようにしてください。この時間、祝福を受けた家庭を中心として、ここに集まった統一家と教会の代表たちの上に、氏族的メシヤとして宣布しますので、喜びをもって受けてください」(『真の御父母様の生涯路程⑨』、22ページ)

 すなわち、「氏族的メシヤ」という権能を授けるので、祝福家庭は「氏族的メシヤになれ」と宣布したのです。

 文鮮明師は、以下のように強調しています。

 「今から4年間(19891992年)ですが、今年が重要です。南北統一、韓国統一の精神を深く浸透させなければなりません。そして、氏族的メシヤの使命を果たせば、国家は完全に取り戻されるのです。氏族的メシヤと国家的基準が自動的に連結されるようになっているのです。サタンが韓民族を国家基準において分裂させ、個人、家庭、氏族、国家で分裂させておいたものを再びもってきて連結させてこそ韓国が生きるのです」(同、3031ページ)

 「氏族的メシヤの使命を果たせば、国家は完全に取り戻される」「氏族的メシヤと国家的基準が自動的に連結される」とあるように、氏族的メシヤの勝利が国家を取り戻すことに連結され、さらには南北統一への道を開くということなのです。

 2025年現在から見ると、祝福家庭に与えられた37年前の文鮮明師の「氏族的メシヤの宣布」は、韓鶴子総裁の「神氏族メシヤを勝利しなさい」また「天寶家庭を勝利しなさい」という責務として変わらずに継続されています。

 故に、祝福家庭は「氏族的メシヤ(神氏族メシヤ)」を明白な摂理的使命として自覚的に取り組むほかありません。

 現在、世界の国々が直面する課題を見ると、政治的混乱、経済的格差、環境破壊、倫理破壊、無責任な言論など、どの国を見てもその課題は深刻で、責任を持って解決する主人がいない状態です。

 こういう状態の中で世界はどこへ行くのでしょうか。
 故障した羅針盤が航海の進路を示すことができないような、非常に危険な姿であり、船が転覆する恐れがあります。

 祝福家庭が「氏族的メシヤ」として、社会の羅針盤、国家の羅針盤として働くことができるならば、まさに、社会を救い、国家を救うことになるはずです。

 昨今の日本を見ると、自公連立政権の何という体たらくぶりかという嘆息の声を多く耳にします。
 また野党にせよ、与党に変わる力を持っているとはいえず、日本政治の風景がまるで世紀末を思わせる姿になっています。

 倫理、道徳の根源である宗教の価値を理解できない政治の姿は、民主主義を否定する全体主義への行進であり、極めて危険です。

 今こそ私たちは、「氏族的メシヤ」の意味をかみ締め、社会のメシヤ、国家のメシヤの役割を果たさなければなりません。