2025.05.25 13:00
スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』15
林三男・著
スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!
※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。
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14. 出エジプト
〈ポイント〉
①イスラエル民族を救うために、すべてをモーセに託(たく)して導かれる神様。
②不信の思いや不平の心を抱くイスラエル民族を、神様を信じ、神様の願いどおりに導き勝利していくモーセの姿。
〈聖書:出エジプト記第13章~20章、民数記、申命記参照〉
イスラエル民族はモーセと共に出エジプトした
今日は、「出エジプト」のお話をしましょう。イスラエル民族はモーセに従ってエジプトを出て、神が約束された地、カナンの地に向けて出発しました。
イスラエル民族は、奴隷の立場から救い出された喜びと、カナンの地での新しい生活に夢をふくらませて、エジプトの地を出発しました。この時、イスラエルの民は男の人だけで60万人と言われています。モーセを先頭に、希望をもって出発していきました。この時、神様はカナンへの道は、シナイの荒野(あらの)を通る遠い道を選ばれました。その道は、とても難しい道でしたが、神様は昼は雲の柱、夜は火の柱で導いてくださいました。
ところが、その後パロは再び心をかたくなにし、エジプトからイスラエルの民を出してしまったことを後悔しました。そして、すぐに600台の戦車を出して、イスラエルの民を追いかけました。イスラエルの民の前は葦(あし)の海です。そして、後ろはパロの軍勢が迫っているため、退(しりぞ)くことはもうできません。モーセとイスラエルの民は前に進むしかありません。モーセは神様に祈りました。そして、「主がなさる救いを見よ」と、持っていた杖を葦の海に向かってさし伸べました。するとどうでしょう。東のほうから強い風が起こって、海の水が左と右に分かれました。奇跡が起こりました。イスラエルの民は、その分かれた間の道を渡りました。民が渡り終えた時、モーセはすぐに、もう一度その杖をパロに向けました。すると、分かれていた水が、急に元に戻り、押し寄せて来ていたパロの軍勢は、海の中に投げこまれおぼれてしまったのです。イスラエルの民はみんな神様の力を信じました。そして、モーセを信じて、カナンの地を目指して再び出発をしたのです。
次に待ち受けていたのは、苦しい荒野の道でした。荒野というのは、見渡す限りの荒地で、飲む水も食べる物もありません。イスラエルの民はモーセに言いました。「砂漠の中で、私たちを飢えさせるために、ここまで連れてきたのか。食べ物もない、水もない。ここで死ぬよりエジプトに帰ったほうが良かった」。初めは喜んで出発したものの、少しの困難にぶつかると、人々は不平不満を言い始めたのです。モーセは神様に祈りました。神様は、このような不平不満を言うイスラエル民族の嘆きの声を知っていました。神様は民の願いに答え、食べ物がない時は、マナやウズラを与えてくださり、そして水がない時にはモーセが岩を打つと、水が出て飲ませてくださいました。神様は、イスラエルの民を愛し、求める物を与えられ、何としてもカナンの地に行くことができるように導いていかれました。
モーセを中心とするイスラエルの民は、シナイの荒野に着きました。モーセは神に祈り続けました。モーセは「シナイ山に登りなさい」と言う、神の言葉を受けました。「わたしの所にきて、そこにいなさい。わたしが律法(りっぽう)と戒めとを書きしるした石の板をあなたに授けるであろう」。モーセは40日40夜断食をしながら祈り続けました。モーセはイスラエル民族の救いのために命懸けで神様に祈ったのです。神様は十戒(じっかい)という神様の言葉を与えられました。第1の戒めとは、「あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない」。第2の戒めは「あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない」。第3の戒めは、「あなたは、あなたの神、主の名を、みだりに唱えてはならない」、ほかに「父と母を敬いなさい」「殺してはならない」「盗んではならない」……と10の約束がしるされています。
神様に対して、不信の思いや不平の心を抱いてはいけない
モーセは神様に心から感謝して、山を降りてきました。ところが、モーセを待っていたのは、信仰あるイスラエルの民ではありませんでした。モーセがいない間に、金の子牛を造り、それを神様だと拝み、踊り狂っていました。神様はその悪をなした民を滅ぼされようとされました。神様は悪を許すことはできません。モーセが見たイスラエルの民の姿は、あまりにも悪に満ちていたので、モーセにも神の怒りが込み上げ、40日断食をしながら命懸けで、神様から頂いた石板を、地面にたたきつけて壊してしまいました。そして悪なる人たちを滅ぼしました。
モーセは、再びイスラエル民族の救いのために祈りました。そして再びシナイ山に登り40日40夜の間断食をし、祈りながら、神様のみ言(ことば)を受けることができるようになったのです。
み言を携(たずさ)えて民の前に現れたモーセの姿は、本当に光り輝いていました。イスラエル民族はモーセと一つになって、カナンの地に出発していきました。カナンの地にたどり着くまで、言葉には言えないほどの苦労の道が残っていました。その苦労に負けてしまった人と、苦労を感謝してモーセに従っていった人と二つに分かれてしまいます。モーセは神様に祈って許しを請(こ)いながら、イスラエルの民をカナンの地へ導こうとしました。
モーセはあと少しでカナンに着くという時、あまりのわがままなイスラエルの民族に腹を立て、岩を二度打ってしまいました。神様が一度だけ打ちなさい、と言われたことを守らず、怒って二度打ってしまったのです。そのために、モーセはカナンの地に入ることができなくなってしまいました。
ここまでイスラエル民族を導いてきたモーセでしたが、この失敗だけは神様もどうすることもできませんでした。神様はモーセに約束の地カナンを見せられました。そして、この後、荒野の中で生まれ育った若者たちと、ヨシュアが、モーセの後を立派に継ぎ、神様との約束を守り、カナンの地に入っていきます。
イスラエル民族を救い出すために、命懸けで神様に対する信仰を守っていったモーセのことをよく知って、神様の願いを果たす者となっていきましょう。
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次回は、「ヨシュア」をお届けします。