2025.06.01 13:00
スマホで立ち読み Vol.36
『こども礼拝』16
林三男・著
スマホで立ち読み第36弾、『こども礼拝』を毎週日曜日(予定)にお届けします。
「光の子園」での礼拝説教をまとめた、幼児から小学生低学年向きの説教集です。小学生礼拝のテキストとしても最適です!
※本文中の呼称・用語は、全て掲載当時の名称です。
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15. ヨシュア
〈ポイント〉
①モーセの後を継ぐものとして、ヨシュアが神様から選ばれる。ヨシュアの前進的な信仰姿勢を学ぶ。
②ヨシュアとイスラエル民族が、神様を中心にして、心情一致して、エリコを陥落(かんらく)させる。
〈聖書:民数記第13章~14章、ヨシュア記第1章~6章参照〉
ヨシュアを中心として、イスラエル民族はカナンの地に入った
先回、モーセがカナンの地を目前にして、入ることができず、その後、荒野で生まれ育った二世の若者たちとヨシュアがカナンの地を目指すということをお話ししました。今日は、ヨシュアを中心とする若者たちが、どのようにカナンの地に入っていったかということをお話ししましょう。
イスラエルの人々がカナンの近くまで来た時、神様はモーセにカナンはどんな所か調べるように言われました。12人の人が選ばれました。40日間、ヨシュアをはじめ12人の人たちは、カナンの地に入り、様子を探りました。そして大きなぶどうやいちじくを持って帰り、見た事を報告しました。10人の人は「その地は、本当に素晴らしく、たくさんの果物がなっています。けれどもそこに住む人たちは、とても背が高く、大きく、強い人たちだから、私たちは、とても勝てそうにありません」と答えました。けれども、ヨシュアとカレブの2人だけは「カナンは乳と蜜(みつ)の流れる良い地です。神様が共におられますから、恐れることはありません。私たちはすぐにのぼって、攻め取りましょう」と、訴えました。神様は、ヨシュアとカレブの報告を喜ばれました。
モーセが亡くなった後、神様はその願いをヨシュアに託(たく)されました。神様はヨシュアに言いました。「わたしは、モーセと共にいたように、あなたと共におるであろう。わたしはあなたを見放すことも、見捨てることもしない。強く、また雄々しくあれ」。イスラエル民族は、ヨシュアに向かって「あなたが我々に命じられたことは何でも行います。あなたの命令にそむく者は、生かしておきません。強くまた雄々しくあってください」と、励ましました。このように、ヨシュアとイスラエル民族の心が一つになりました。
ヨシュアは、2人の斥候(せっこう/敵の様子を見てくる人のこと)に、エリコの町を探らせました。この2人はとても勇気のある人で「本当に、神様はこの国(カナン)をことごとく我々にお与えになりました。この国の住民は我々の前に震えおののいています」と、報告しました。それを聞いたヨシュアは力を得て、エリコに向かって出発する準備をしました。3日間ヨシュアは神に祈り、いかに今からエリコの城を攻めるか、神の前に尋ねました。そして神様から知恵を頂きました。
ヨシュアたちは、ヨルダン川までやってきました。神様の言葉が記された石板の入った契約の箱を祭司たちが担いで、ヨルダン川を渡ろうとしました。この時、祭司たちが川に足を一歩踏み入れたとたん、川の水が川上のほうでせき止められて、人々は乾いた地を通って渡ることができました。これは、モーセが紅海を渡る時、神様が起こしてくださった奇跡とよく似ていました。神様が共にいてくださり、奇跡を示してくださったのです。
ヨシュアとイスラエル民族が心情一致してエリコ城を陥落させた
いよいよエリコの町にやってきました。エリコの町は、周りが高い石垣で囲まれていて、外から来た人々は、簡単には入れないようになっていました。またエリコの人々は、イスラエルの軍隊が進軍してきたことを恐れて、堅く門を閉ざしてしまいました。神様はヨシュアに「見よ、わたしはエリコと、その王および大勇士を、あなたの手に渡している。エリコの町を、一日一回だけ回りなさい。次の日も次の日もそうして6日間回りなさい。そして、7日目には、7回町の周りを回りなさい。7回、回り終わったら祭司たちは、ラッパを吹き鳴らさなければなりません。ラッパの音が聞こえたら、皆で大声で叫びなさい。そうすれば、町の周りの石垣は崩れ、攻め上ることができる」と、言われました。
ヨシュアは、神様が言われるとおりにしました。1日め、町の周りをダッダッダと、何も話さずに、進軍しました。2日め、3日め、……6日めまで無言の無気味な進軍が続きました。祭司たちを先頭にするその行列は、今までずっとイスラエルを導かれた神様を中心として回っている姿であり、心を一つにして神を愛し、信じたイスラエルの民の姿でした。自分勝手に行動する人はいませんでした。いよいよ7日めがやってきました。朝、早く起きてヨシュアは民に言いました。「今日は、エリコの町を7回回ったら、ラッパを吹き鳴らす。それまでは一言(ひとこと)も話さないで、ラッパの音が聞こえたら、大きな声で叫びなさい」。みんな一言も話さず、ダッダッダと歩きました。ラッパが聞こえると、みんなは言われたとおり、大声で一斉(いっせい)に「オーッ」と叫びました。するとどうでしょう。その声があまりにも激しかったためでしょうか。エリコの城壁がガラガラと崩れ落ちたのです。そして、エリコの人々はイスラエル軍によって完全に滅ぼされてしまいました。
こうして、ヨシュアと若者たちはアブラハムの時から神様が約束されていたカナンの地に入ることができました。ヨシュアを中心として、人々は戦い、勝利し、カナンの地に神の国を築くために前進していきます。
ヨシュアのように、いつも神様を信じ、どんな難しいことも、つらいことも勇気をもって乗り越える人が、神様の国を創(つく)る人として選ばれたのです。そして、城壁を崩して、エリコの町に入ることができたのは、荒野で生まれ育った若者たちが、ヨシュアと心を一つにして、神様を信じ戦い続けたからでした。
私たちもヨシュアのように、強く雄々しく進んでいきましょう。そして、心を一つにして、神様の国を造っていきましょう。
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「スマホで立ち読み」での連載は、今回が最終回となります。ご愛読ありがとうございました。続きは、ぜひ書籍でご覧ください。