父の日に寄せて 2

 6月15日の父の日を前に、『グラフ新天地』20056月号に掲載された特集記事を、編集部が再編集してお届けします。

絵に表れる子供たちの気持ち

 掲載当時、全国の子供たちに「お父さんの絵を描いてください」と呼びかけました。

 その時届いた作品の中で圧倒的に多かったのは、「働いているお父さん」の絵でした。「ぼくのお父さんは、こんな仕事をしているんだ。すごいだろう!」という気持ちが絵によく表れています。子供たちは、お父さんの仕事を誇りに思っているのです。そして家族のために働いてくれていることに、子供なりに感謝しているのです。

 休日のお父さんの姿も届きました。その中でも、お父さんが料理を作っている絵が印象的でした。きっと「お父さんは料理も作れるんだ」と驚いたのでしょう。

 お父さんと散歩をしている絵も届きましたが、深く考えさせられます。平日にお父さんと接する時間が少ないと、ちょっとした散歩でもうれしい思い出になっているのです。

 お父さんが考えている以上に、子供たちはお父さんのことを慕っています。たとえ短かったとしても、お父さんと過ごす時間を大切にしているのです。

仕事を楽しみ立派な社会人になろう

 子供たちの気持ちを裏切らないためにも、お父さんは立派な社会人でなければなりません。

 仕事には、「家族を養うこと」「利益を追求すること」「社会に貢献すること」といった目的があります。これらを全力で成し遂げなければなりません。

 しかしより本質的な目的は、仕事を通して人格を成長させることです。つらく苦しい仕事でも、「楽しい」と思える基準になってこそ人格者であり、立派な社会人です。

 そのような意識を持って働くお父さんを、子供たちは「頼もしい」と感じるのです。

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 次回は、「悩み多き思春期こそお父さんの出番」をお届けします。