世界はどこに向かうのか
~情報分析者の視点~

韓国大統領選挙始まる

渡邊 芳雄(国際平和研究所所長)

 今回は、512日から18日までを振り返ります。

 この間、以下のような出来事がありました。

 韓国大統領選挙が始まる(512日)。米大統領とシリア暫定大統領が面会(14日)。ウクライナ協議、米露両大統領は参加見送り(14日)。ロシアとウクライナの直接協議始まる、一時停戦が焦点(16日)。尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国前大統領、「国民の力」から離党(17日)、などです。

 5月12日、韓国の尹錫悦前大統領の罷免に伴う大統領選(63日投開票)が始まりました。
各種世論調査では、左派系最大野党「共に民主党」の前代表、李在明(イ・ジェミョン、61)氏が、保守系与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)前雇用労働相(73)に支持率で20ポイントの差をつけています。
 立候補の届け出は7人ですが、実質は李氏と金氏の戦いとなっています。

 李氏の最大の弱点は、被告人として5件の刑事裁判を抱えていること、「司法リスク」が懸念材料でした。
 特に公職選挙法違反事件の「差し戻し審」は、判決が確定すれば被選挙権を剥奪される恐れがありました。

 最高裁は5月1日、李在明氏の公職選挙法違反事件で、有罪判断を示して2審の無罪判決を破棄し、審理をソウル高裁に差し戻しました。
 これが差し戻し審です。ここで有罪が確定すれば、李在明氏が出馬資格を失う可能性が高かったのですが、高裁は515日に指定した差し戻し審の期日を、なんと大統領選後に延期したのです。
 ソウル高裁での初公判を大統領選挙後に延期するよう求める申請が7日に受け入れられたのです。

 裁判の進行に反発した「共に民主党」が、最高裁長官らの弾劾訴追をちらつかせるなど、圧力を加え続けたことが影響したとも指摘されています。
 自党の大統領候補を守るためには司法府への攻撃もためらわない「共に民主党」の強圧姿勢に、拒否感を示す有権者も多くいます。選挙戦が進む中で有権者の投票行動にどのように影響するのか。注目点の一つです。

 一方、保守陣営は苦しんでいます。党予備選で公認候補に選出された金文洙氏と無所属で出馬を表明した韓悳洙(ハン・ドクス)前首相(75)の候補者一本化ができませんでした。
 「国民の力」執行部は、保守強硬派の金氏から実務経験豊富で中道層への浸透が期待できる韓氏への候補差し替えを強行しようとしたのですが、党員の反発を買い、結局、党員の意向調査が行われて否決されました。その結果、金氏が公認候補に復活したのです。

 金氏は、巻き返しには保守系の結束が不可欠だとして、保守系野党「改革新党」の李俊錫(イ・ジュンソク)議員(40)との候補者一本化を呼びかけていますが、現状は厳しい状況です。

 今回の選挙は、自由民主主義か全体主義かの選択になるのではないかといわれています。
 韓国国会は野党勢力が3分の2を占めています。李氏が大統領になれば立法府に加えて行政府も「共に民主党」が掌握することになります。
 そうなると、権力の向背に敏感な韓国司法が、大統領になった李氏の捜査や裁判を続けられるとは思えません。

 さらに今回の選挙は、米国か中国か、日本か北朝鮮かの選択になるでしょう。



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