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シリーズ・「宗教」を読み解く 364
母なるものを慕い求めて⑧
母マリアの使命

ナビゲーター:石丸 志信

 イエスが十字架上で息絶え、取り下ろされた時、母マリアは初めて「つるぎで胸を刺し貫かれる」痛みを覚えたのかもしれない。

 マリアは、自らの胎を通してイスラエルが待望したメシヤが生まれることを御使(みつか)いから知らされ、それを受諾したのではなかったか。

 しかしマリアはこの時までイエスの言葉を信じ、常にイエスと共に行動したとは福音書には記されていない。

 独り子の、無残な死の間際まで人類をゆるし愛を貫こうとした姿に直面して、自らの過ちに気付かされたのではないだろうか。

 自らを通して神の独り子が生まれてくることを受け止めるのも畏れ多いことだが、自身の過ちによって尊いかたを死に追いやったという事実に直面する時の痛みは、他に比べられないほど耐え難いものだったに違いない。

 ただ、身もだえしながら泣くことしかできなかった。
 ペトロがそうであったように、嗚咽(おえつ)して泣き崩れたことだろう。

 使徒たちの証言によれば、その母マリアはペンテコステの祭りの日に、弟子たちと共にいた。

 イエスが3日目に復活した後、悲嘆に暮れる弟子たちを訪ね、一人一人をゆるし、裏切らなかった使徒の立場に再び立てられた。

 彼らがマルコの屋根裏部屋に集って心一つにして祈る時、聖霊が降臨して、彼らに新しい生命を与えた。

 それ以後、使徒たちをはじめとする弟子たちは、二度と主を裏切ることのない神の子に生まれ変わり、十字架にかけられたイエスこそがメシヤ・救い主であると、堂々と証言するようになった。

 母マリアもその時、生まれ変わった。
 それ以後、自らの果たし得なかった使命を果たす者を迎えることができるよう、力の限りを尽くして働き続けてきたのではないだろうか。

 文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁は、マリアの果たすべき使命について、次のように指摘している。

 「マリヤは本当のイエス様の母として、イエス様の深い心情を知り、今後すべきことは何かとイエス様と話し合いながら、ヨセフとイエス様とを仲立ちする役割をしなければなりませんでした。その家庭で、イエス様が自由に生活できる舞台をつくってあげなければならなかったのです。
 そのような主導的な役割は、イエス様御自身が直接できません。マリヤがしなければなりませんでした」(『イエス様の生涯と愛』文鮮明著 光言社刊、84ページ)

 さらに厳しい言葉が続く。

 「イエス様が死んだのは、女性が誤ったからです。…イエス様に腹中にいる時から約三年だけでもよく侍っていたならば、問題は変わったことでしょう。ですから女性たちが、第一に母の責任を果たせず、第二に新婦の責任を果たせず、第三に僕(しもべ)の責任を果たせなかったのです」(同、116ページ)

 キリスト教二千年の歴史は、ここに指摘された母の使命、新婦の使命、僕の使命を果たさんがための歴史であったともいえる。

 信仰深い女性たちの追求した理想像の中に、イエスに寄り添う母、イエスを慰める花嫁、イエスに仕える僕の姿が見いだされる。



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