https://www.kogensha.jp/shop/detail.php?id=4294

ダーウィニズムを超えて 106

 アプリで読む光言社書籍シリーズとして「ダーウィニズムを超えて」を毎週日曜日配信(予定)でお届けします。
 生物学にとどまらず、社会問題、政治問題などさまざまな分野に大きな影響を与えてきた進化論。現代の自然科学も、神の創造や目的論を排除することによって混迷を深めています。
 そんな科学時代に新しい神観を提示し、科学の統一を目指します。

統一思想研究院 小山田秀生・監修/大谷明史・著

(光言社・刊『ダーウィニズムを超えて科学の統一をめざして』〈2018520日初版発行〉より)

第八章 宇宙の統一原理に向けて

(五)人間原理、万物理論、新しい統一原理

(3)弱い人間原理、マルチバース
 宇宙は無数に生まれていて、その中の一つが、たまたま我々が住む宇宙になっているというのが、弱い人間原理である。アレックス・ビレンケンによれば、

 人間原理は選択の基準とでもいうべきです。それは、自然定数の値が異なる、どこか遠くの領域が存在することを前提にしています。そのような領域は私たちの宇宙のどこか遠い部分にあるかもしれません。あるいは、そのような領域は私たちの時空とは完全に切り離された、ほかの時空に属しているかもしれません。さまざまに異なった性質を備えた領域の集まりは、マルチバースと呼ばれています。……マルチバースが実際に存在するなら、自然定数が、生命が生まれるようにちょうどよく調整されていても、驚くことはありません。むしろ反対に、自然定数がちょうどよく調整されることは確実なのです(*60)。(太字は引用者)


*60 アレックス・ビレンケン、村田陽子訳『多世界宇宙の探検』日経BP社、2007年、222223

---

 次回は、「ひも理論の人間原理的ランドスケープ」をお届けします。


◆『ダーウィニズムを超えて』を書籍でご覧になりたいかたはコチラ