夫婦愛を育む 38
夫の意見に従…う?

ナビゲーター:橘 幸世

 皆さんは夫婦で意見が異なる時、どうしていますか? 自分の意見が正しいと主張しますか、それとも争いを避けようと折れますか、より力のある相手に渋々従いますか?

 統一原理では、夫が主体で妻が対象、と夫婦におけるそれぞれの立ち位置を明確にしています。基本的に夫がリーダーシップをとるんですね。けれど、夫婦それぞれの性格や価値観、それまでの生き方などから、現実はなかなかそのように実践できないかもしれません。
 私もつい最近、ささいな件で主人の判断に心から従えないことがありました。

 聖書にも、「妻たる者よ。…自分の夫に仕えなさい。…夫たる者よ。…妻を愛しなさい」(エペソ人への手紙)と、夫婦関係について明確に記してありますので、キリスト教の教えに基づいた夫婦ガイダイスでは、夫の意見を尊重するよう説いています。

 全米でベストセラーになった『サレンダードワイフ』という本があります。原題の直訳は「降参した妻」、邦訳本には『賢い女は男を立てる』という副題が付いています。
 そのメッセージはシンプルで、キーワードは「じゃあ、そうしましょう」。夫が何か言った時、妻は「じゃあ、そうしましょう」と言いましょう、そうすれば愛に溢れた幸せな夫婦関係が築けます、と著者は訴えます。アメリカは女性が強いイメージがあるので意外に思うかもしれませんが、多くのアメリカ女性がこれを実践して幸せになったのです。

 また、「妻は夫の意見に従わない時、神の霊を失う」と説いたキリスト教指導者がいます。確かに、逆らっている時の心に神様は降りてこられないでしょうし、良い結果も期待できないかと思います。

 日本のクリスチャンにも良いお手本を見つけました。
 『この土の器をも』は、三浦綾子が自身の結婚生活を描いた自伝小説ですが、かなり自我の強い著者(と私は理解している)も、結婚してからはその都度、夫の意見や了解を求めてから行動しています。そして、事がうまく運んでいるのです。
 仮に夫が反対しても、それは自分を思ってのこと、神様の願いを考えてのこと、と彼女が理解していることが大きいです。

 夫婦愛を育む原則を知って実践してきていても、まだまだ私の内には雑念が渦巻いています。日々の現実にとらわれていると、主人の判断にスパッと同意できません。それでも、今回も主人の思いを優先し、そのとおりに行動すると、その数時間後、予期せぬ、とてもうれしいことがありました。「ああ~、やっぱり神様、そうよね!」と、雑念が晴れた感じです。葛藤しつつも、原則に則って行動すると神様が働かれる、と改めて実感した次第です。 

 まだまだ修行…ですね。