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コラム・週刊Blessed Life 305
2024米国大統領選は「バイデン・トランプ対決」で決まり!

新海 一朗

 スーパーチューズデーを経て、2024年の米国大統領選挙は「民主党バイデン VS. 共和党トランプ」に決まりました。
 この対決は、2020年の大統領選挙と同じ顔ぶれであり、2度目の決戦となります。

 ニューヨーク・タイムズが今年の2月下旬に実施した世論調査結果によると、11月の大統領選挙を予想する支持率は、ドナルド・トランプが48%、ジョー・バイデンが43%で、トランプがバイデンを5ポイント上回っています。
 このままいけば、トランプの勝利となりますが、何が起きるか予断を許しません。

 米国の大統領選挙は、かつてないほどの混乱の中での泥仕合の様相を呈しています。国内の分断が進み、修復し難いほどに敵対しています。
 今、米国は深く傷つき、病んでいるといっても過言ではありません。

 米ソ冷戦後(198912月マルタ会談以降)、米国の勝利は世界を一つにしていく絶好の機会を得ましたが、実際には、米国の迷走は冷戦終結とともに本格化したといえます。

 ロナルド・レーガン第40代米大統領は、ソ連を崩壊に導く重要な役割を果たしましたが、その後、米国の指導者たちはソ連崩壊後の戦略と設計図を描き間違えます。

 ネオコン(ネオコンサバティズム、米国の新保守主義)の暴走、経済的グローバリズムの戦略的誤謬(ごびゅう)によってもたらされた経済格差の深刻化、さらには倫理的脱線を法制化するLGBTと家庭破壊思想のまん延を許し、その悪(あ)しき米国文化を世界に輸出して世界全体を混乱に陥れていったのです。

 9.11事件(2001911日に起きた米国同時多発テロ事件)から来る対テロ戦争、サブプライムローンが招いた2008年のリーマンショックに端を発する世界金融危機など、バラク・オバマ政権はそれらの状況を改善すべく「チェンジ(変化、変革)」を叫んで取り組んだものの、米国の再生には至りませんでした。

 そして2016年の米国大統領選は予想を裏切り、ヒラリー・クリントンが落選、トランプが勝利します。
 トランプは根本的な改革を手がけ、破竹の勢いで地球を回り、世界の指導者たちと会談しながら自らの政治姿勢を示しました。

 それは「アメリカ・ファースト」であり、「Make America Great Again」でありました。
 そう言わざるを得ないほど、実際、米国は多くの問題を抱えて苦しんでいたのです。

 トランプは全世界のメディア権力を敵に回すほどの挑戦的スタイルで内政と外交の政治改革を断行します。
 トランプに震え上がった主流メディアの反トランプ論調の中で、2020年の選挙では、トランプは再選を阻まれる結果となりました。
 その結果、バイデンの米国が出現しましたが、バイデン政権は果てしなく迷走し、米国の威信は地に落ちる状態となりました。

 元FOXニュース(保守系)の人気政治コメンテーターのタッカー・カールソンは、201912日のトーク番組の中で、激しい「市場原理主義」批判を繰り広げ、「米国の市場経済がもたらす『格差』のために、米国の『家族』は崩壊し、労働者階級は貧困のため結婚さえできない状況がもたらされる一方、絶望から薬物乱用まで起きている。かつては大都市中心部のスラム化に伴って起きた諸問題が農村部にまで広がった。富裕層のエリートたちは労働者を踏み台にして脱工業化経済の中で繁栄を享受し、労働者の苦境には見て見ぬふりをしている」と、激越なまでにエリートらを批判しました。

 カールソンは「女性の権利拡大とか環境保護などはエリート世界の話で、まずは、まともに家族生活のできる米国を取り戻せ」と訴えました。

 実は、このカールソンの「まともに家族生活のできる米国を取り戻せ」というのが、トランプ革命の中心にある思想軸であり、米国の建国精神です。

 金融エリートたちが進めたグローバリズムは少しも一般庶民の生活を幸せなものにしていない、かつて厚い中間層を形成していた者たちは下層階級に落ちて貧しくなっているという認識のもと、まずは「アメリカ・ファースト」(国民の幸せを取り戻す)だと、トランプは当然のことを言ったのです。

 トランプの戦いは、健全な米国を取り戻す戦いなのです。