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シリーズ・「宗教」を読み解く 306
修道院の祈り 4
時を聖化する時課の祈り

ナビゲーター:石丸 志信

 聖ベネディクトが修道院の生活に時課を定め、一定のリズムで共同体が祈祷と賛美の時間を守るようにしたのは、どのような意図だったのか。
 それは、時を聖化するためだった。

 神がモーセを通して与えた十戒に「安息日を覚えて、これを聖とせよ」(出エジプト208)とある。
 ユダヤ教の伝統は、この戒めに従って安息日の伝統を培ってきた。

 聖別するためには、6日間は働くが、7日目は創造の完成を神と共に祝うがごとく、全ての労働を休んで、神とのみ過ごす時間を持つようにした。
 そして、7日ごとに聖別された一日を天にささげることで、残りの6日間も聖別されたものにしていただこうとの願いがあった。

 キリスト教においても、この伝統を相続し、7日間のサイクルで時の聖化を重ねてきた。
 聖ベネディクトの修道院の生活は、その実践を一日一日のリズムの中に降ろしてくるものとなった。時を聖化する時課の祈りには詩篇が用いられた。

 詩篇は聖書の中に収められた賛美歌。律法の書がモーセを通して神から頂いたみ言だとすれば、詩篇はみ言を受けた民の応答であるともいえる。
 悔い改めの感謝と賛美の声を天にささげる祈りの積み重なりが150篇のとなった。

 そこに込められた精誠に乗せて、今を生きる信仰共同体がその歌を自らの口に上らせ響かせていく。それが時を聖化するというのだ。

 一日の最初に祈る時、「主よ、わたしの唇を開いてください。そうしたなら、あなたの讃美を唱えましょう」と唱える。
 『聖ベネディクトの戒律』にはそう定めている。祈りの時間は最初から最後まで、聖書に記された神のみ言で彩られていく。



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