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コラム・週刊Blessed Life 301
開戦から4カ月、イスラエル・ハマス戦争の現在地

新海 一朗

 混迷を深めるイスラエル・ハマス戦争の行方は、停戦協議に入る気配を見せながらも、そう簡単には譲れない両者の思惑があり、協議に踏み込めない事情が感じられます。

 イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘は、①戦闘の休止と、②人質の解放という二つの課題の交渉が絡まっており、イスラエルのネタニヤフ首相はハマスを壊滅させるという目標に関しては一切妥協しない姿勢を改めて強調しています。交渉の進展はいまだ見通せません。

 イスラエル軍は、ハマスの重要拠点があるとするガザ地区南部のハンユニスなどで軍事作戦を続けています。
 そのハンユニスですが、その場所にパレスチナ赤新月社の本部があり、現地の病院では爆撃と銃撃の中でけが人の治療などが続けられており、赤新月社の職員も攻撃に巻き込まれて犠牲になっています。
 ガザ地区の保健当局は、これまでにイスラエル軍の攻撃で26900人が死亡したと述べています。

 イスラエルのネタニヤフ首相はカタールやエジプトの仲介で進められている戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉について、頑迷な主張を述べています。
 ビデオ声明で発表した内容は、「われわれはハマスとの戦争はやめないし、部隊を撤退させることもない」というもので、ハマスを壊滅させるという目標に関しては一切妥協しないと、改めて強調しました。

 交渉では、ハマス側が人質解放の条件として、完全な停戦とイスラエル軍のガザ地区からの撤退の二つを求めており、ネタニヤフ首相の主張とかみ合いません。戦闘休止と人質解放、これを同時に満たすことは困難であり、交渉の結実には時間がかかるものと見られます。

 このような状況下、ネタニヤフ首相は131日、東欧などの国連大使と面会した折、国連機関であるUNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の役割に関して、「UNRWAの役割は終わった」と述べ、そのことを国際社会は認識すべきであると強調。「ガザの問題を解決するには別の援助機関が必要だ」として組織の解体を求めました。

 これまで、国連が一貫してパレスチナ側に立って、イスラエルの戦闘行為に反対してきたことを、ネタニヤフ首相は強く非難しているわけです。
 しかし国連のグテレス事務総長は28日の記者会見で、イスラエルが解体を求めている国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)について、パレスチナ自治区ガザでの「人道支援の屋台骨だ。代替組織はない」と述べ、存続へ理解を求めました。
 イスラエルと国連の間には、強い確執があり、お互いの譲れない主張が存在します。

 イスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突は、27日で、開戦(2023107日)から4カ月を迎えました。
 増大する犠牲者、極限まで悪化した人道危機に歯止めをかけようと米国は努力するものの、戦闘休止と人質解放を目指す間接交渉は一向に進まず、ますます各地でイランの支援を受ける武装組織と米軍が、攻撃の応酬を繰り広げる状態に陥っており、中東全域に紛争が拡大するリスクが高まっています。

 まさに中東大戦争と呼ぶべき戦争の恐れすら感じられる姿です。
 イラン・ロシア・中国が米国・イスラエル・英国とぶつかる展開になれば、破局的な戦争へと向かうことになるでしょう。