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脱会説得の宗教的背景 19
統一原理を汎神論と“勘違い”し批判する反対牧師

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

統一原理の「二性性相」とは
 反対牧師は、監禁現場における脱会説得の一つとして、「統一原理」の説く神は、汎神論(内在神)ではないかと批判します。
 例えば、『原理講論』の「神を中心として完成された被造世界は…その性相的な存在が神であり、その形状的存在が被造世界なのである」(47ページ)との記述を読んで、これは汎神論ではないかと勘違いし批判します。

 ここで、少しだけ統一原理用語の「性相」と「形状」について、簡潔に説明します。
 自然界を見ると、存在する全てのものは、目に見えない内性と、目に見える外形を備えています。

 例えば、人間には心と体があります。同じく、動物には動物心(本能)と身体。植物にも植物心と身体。それらの構成元素である分子、原子、素粒子にも内命性(物理化学的作用性)と体があります。

 このように全てのものは、見えない内性と見える外形とを備えています。目に見えない内性を「性相」と呼び、見える外形を「形状」と呼びます。この両者は切り離すことができず、一体不可分であることから、それを「二性性相」と呼びます。

 結果の世界である自然界が性相と形状の二性性相になっているのは、その第一原因である神に性相と形状の原因があるからであり、それを神の「本性相」と「本形状」と呼んでいます。
 これは、神の中に“精神の原因”と“物質の原因”が共にあるということであり、統一原理はこれを唯心論でも唯物論でもなく、「唯一論」といいます。

統一原理は汎神論ではない
 ところで、統一原理は汎神論ではありません。
 先ほどの『原理講論』の論述は、無形なる神が有形なる被造世界を創造された事実を述べているに過ぎません。

 統一原理は、全被造物が性相(心)と形状(体)の二性性相によって存在しているとしますが、その場合、被造物の性相部分を全て包括(総合)したとしても、それを神だとは考えていません。つまり汎神論ではないのです。

 ところが、反対牧師の多くは“排他主義”の人物が多く、宗教を和合させようとする気持ちがないため、統一原理に汎神論的な臭いを嗅ぎつけると攻撃してくるのです。
 しかしながら統一原理はキリスト教と同様に、神が被造世界を創造したと考えています。神と被造世界とは“分離”しており、被造世界が神の体であるとは考えません。

 『原理講論』に「被造物はすべて、無形の主体としていまし給う神の二性性相に似た実体に分立された、神の実体対象」(4748ページ)とあるように、神と被造物は“分立”しており、別の存在です。それ故、統一原理は、もし宇宙が消滅したとしても神は厳然と存在しておられると考え、汎神論ではありません。

(続く)

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第5回『超越神』(創造神)と『汎神論』(内在神)の和合統一」はこちらから