https://www.youtube.com/watch?v=dC49n0-NQXs

脱会説得の宗教的背景 17
超越神(創造神)と汎神論(内在神)の“違い”

教理研究院院長
太田 朝久

 YouTubeチャンネル「我々の視点」で公開中のシリーズ、「脱会説得の宗教的背景/世界平和を構築する『統一原理』~比較宗教の観点から~」のテキスト版を毎週火曜日配信(予定)でお届けします。
 講師は、世界平和統一家庭連合教理研究院院長の太田朝久(ともひさ)氏です。動画版も併せてご活用ください。

キリスト教と仏教の異なる神観
  ところで、キリスト教の説く神は「超越神(創造神)」です。神が、宇宙を創造したと考えます。宇宙が存在する前に、まず神がおられ、その神が宇宙を造られたというのです。

 創世記11節に「はじめに神は天と地とを創造された」とあり、神は宇宙(自然界)が存在する前に、宇宙と分離(超越)して存在しておられたのです。
 従って、たとえ宇宙が消滅したとしても、神は厳然と存在しておられるというのです。

 それに対し、仏教などの東洋思想は、「汎神論」という森羅万象(自然界)に内在する神(内在神)を説きます。
 その神は、久遠の昔から宇宙の中におられ、未来永劫(えいごう)にわたって内在する神です。故に、もし宇宙が消滅したならば、内在する神も消滅するということになります。

 キリスト教は、神が宇宙を創造したとし、宇宙に“始まり”があり、“終わり”があると考えます。
 それに対して、仏教では、無始無終といって、宇宙に“始まり”はなく、“終わり”もない。永劫回帰と考えます。

 このように、キリスト教と仏教では、異なった神観を持っています。両者の神観を和合させるのは“不可能”なように思われます。

(続く)

※動画版「脱会説得の宗教的背景 第5回『超越神』(創造神)と『汎神論』(内在神)の和合統一」はこちらから