平和の大道 59
自然災害と日韓トンネルの効果

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

熊本地震に思う

 2016年414日に起こった熊本地震では、高速道路破損、新幹線脱線、国道57号線の土砂崩れによる不通、阿蘇大橋崩落等、広汎にわたる陸上交通の破壊ということが目立った。津波がなかったことが不幸中の幸いであった。

 5年前(2011年)の東日本大震災においては、高速道路と新幹線は機能不全となる損傷を受けずにそのまま活用することができた。このため迅速な大量輸送量の一定の確保が可能となり、災害対応と復旧と復興が災害の大きさに比較して上手くいった。

 地震等の自然大災害では、対応・復旧・復興の鍵を握るのは迅速かつ大量な輸送力、とりわけ陸上輸送力である。海上、空路輸送では限界がある。食料、水、医薬品、生活用品、燃料、建設資材等、とにかく大量の物資の迅速な輸送が不可欠であり、それがなければ多くの被災者の生命まで奪われるようになる。

 今回は、自然大災害への対応という観点から、日韓トンネルの効果性について検討する。

 話は少し変わるが、小松左京氏の有名なSF小説『日本沈没』(1973年出版)の本を地震の起こる丁度10日ほど前に読み終え、万一『日本沈没』のような事態になったらどうしたら良いのか、日韓トンネルがあれば大きく貢献できるのではないかというようなことを、思い巡らしていたところ、福岡市で熊本地震に見舞われ、震度45の揺れを実体験した。

 震度4以上の地震が100回近くも続くという類例のない地震であることが判明してくると、今回の熊本地震が、私の頭の中で小松左京氏の小説と重なってしまった。この地震はもっと巨大な地震の前兆に過ぎないのではないかという想いが浮かんだ。

 『日本沈没』は「地球規模の地殻大変動により1年以内に日本列島が日本海溝に没する。12千万人の日本国民全員を海外に移住させる」という設定のSF小説である。日本政府は、世界中の国々と外交交渉し、世界中から航空機や、船舶を総動員して日本国民全員を海外に移住させることに尽力し、国民の大半の救出には成功したが、結果的には、輸送力不足のため日本列島に多くの人々が取り残されて国土とともに水没する。

 「もし日韓海底トンネルがあったなら迅速かつ大量の陸上輸送が可能となり、多くの国民を迅速かつ大量に鉄道輸送によって韓半島に移動させることができ、12千万人の日本国民全員を無事救出することが可能になる」という別のシナリオも描けたに違いないのではないかと思った。日韓トンネル構想が文鮮明(ムン・ソンミョン)総裁によって提唱されたのは、『日本沈没』発売から8年後の1981年であった。もっと早めに提唱していたら、「日韓海底トンネルを使っての日本脱出」という設定があったかもしれないと想像する。

日韓トンネルと地震

 一般的にトンネルは地震に強い。阪神大震災、東日本大震災でトンネルが破損したことはない。地震による断層がトンネルを直撃しない限り破損することはほぼあり得ない。

 熊本地震で、九州の活断層地図が示されたが、対馬・壱岐・唐津付近、そして日韓トンネルが通る佐賀県の北部と韓国を結ぶ海域には活断層がない。朝鮮海峡の釜山の沖合付近に断層が少しあるが、活断層ではない。日韓トンネルが通過するこのルートは極めて安定した地層であり、地震にはめっぽう強い。たとえ『日本沈没』のような地殻大変動があって富士山が海没するようなことになったとしても、対馬、壱岐、五島列島は沈没しないとも言われている。

 ここからは、日韓トンネルができていると仮定し、この仮定に立った上での話である。将来、南海トラフ地震のような大自然災害が起こったならば、九州地域は本州や四国からの物資輸送に頼れない可能性が大きい。その際、頼りになるのが日韓トンネルであり、日韓トンネルは韓半島からの物資輸送の主要ルートとなり、エネルギーや電力も、そこから送る必要が生じる可能性もあり、九州地域の命綱ともなる。

 日韓トンネルを建設する場合、人員と物資の移送だけではなく、天然ガス、石油、電力などのエネルギーの輸送が可能となるような設計が必要である。採算性から見れば、人員輸送の収入よりも貨物輸送収入のほうが大きい。それゆえ、必ずしも新幹線を主流にしたものにしなければならないという考えにとらわれる必要はない。貨物輸送を可能にする仕様が求められる。

(『友情新聞』2016年5月1日号より)

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 次回は、「経験知と国際ハイウェイ実現」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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