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平和の大道 58
観光と国際ハイウェイ

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

観光と国際ハイウェイ

 今回は、国際ハイウェイの「効果性」について検討する。効果性を検討するメリット(真価)は、色々な分野から効果性を論じて検討することが「価値性」を検討することに繋がるため、国際ハイウェイプロジェクトの「価値」が浮き彫りになり、その理解が深まることが可能となることだ。

 経済、政治、文化等の観点から効果性を検討するのが一般的であり、分かりやすいため、この分類に従って効果性を検討し、価値の探求を試みる。

経済効果と観光

 まず、最も分かりやすい「経済効果」の観点から見た効果性の検討から始める。経済効果も、直接的な経済効果と間接的な経済効果に分かれる。間接的な経済効果に関しては、いわゆる「シナジー効果(波及効果)」があるが、後ほど詳しく論じる。

 ここではまず「観光に伴う経済効果性」を取り上げることにする。というのは、経済効果と言うと、我々はすぐ産業上の効果を思い浮かべるという偏った習慣性、偏見がある。国際ハイウェイ・日韓トンネルができると、その結果、産業の生産性、物流、いわゆるGNPGDPという経済指標がどれだけ伸びるかという物流や金銭価値で計算可能な指標に基づく効果性を考える傾向が強い。

 ところが、国際ハイウェイで最も追求すべき効果や価値は、産業的効果や価値以上に、生活を楽しみながら人間性の健全化や向上に資する娯楽の教育的な効果や価値である。「観光」は、この意味において大きな効果や価値を持つ分野だ。

 しかも、特に日本において今後経済的に大きい伸びが期待されているのは、実は物の生産中心である産業の分野ではなく、観光の分野である。人工知能を備えたロボット社会になると、人間がやれる仕事の分野が段々と少なくなってくる。その結果、余暇時間が増えてくる。下手をすると余暇時間を持て余し、精神がたるみ堕落することにもなりかねない。

 それを防止する最良の手段は、余暇時間を有効活用して健全な娯楽に親しむことである。多くの人が手軽に行うことができる娯楽が観光である。観光が一般的になり、盛んになると、教育的効果のみならず、観光のもたらす経済効果は大きくなり、「観光産業」が今後顕著な伸びを示すことが十分に予想される。

観光の価値と効果

 『法律』(プラトン著)の中で、古代ギリシャの哲人プラトンは次のように言っている。

 「為政者・立法者は何を目的として法律を制定すべきか。戦争か平和か。戦争ではなく平和である。しかし、社会が平和で豊かになったとき一番問題になるのは、精神の弛緩(しかん)と享楽的生活、そして堕落である。戦争の危険性があり、社会が物質的に豊かでなければ、国民はそれなりに緊張して生活するため、堕落する危険性が小さく、かえって安全である。

 ところが、平和になって生活が豊かになって余暇時間が増えると、ともすると、精神が弛緩し、生活が享楽的になり、堕落しやすくなる。人間の精神の健全性の保持から見て平時の方が危険である。

 したがって、為政者・立法者が立法するにあたって最も考慮すべきは、いかに戦争に勝つかという事よりも、まず平和の維持であり、さらには、平和時に於いて、享楽と堕落を防止する事を可能にすることができる高尚な遊び、娯楽、趣味の提供に関する法律の制定である」

 プラトンが指摘したことから考えると、余暇時間を有効活用ならしめて、精神の弛緩と堕落を防止し、生活の健全化をもたらし、人間性の向上を可能にする「高尚な遊び」の一般的形態が、誰にでもできる娯楽である観光である。スポーツも趣味生活も同様のものである。

国際ハイウェイと観光

 国際ハイウェイの究極的目的の一つが何かと分かりやすく言えば、家族や気の合った仲間が一つの車に乗って国際ハイウェイを疾走し、世界各地を周りながら、各所・旧跡・景勝地を観光し、趣味生活・文化生活を満喫し、生活を楽しみながら人間性の向上を図ることである。つまり、産業の発展以上に、観光や趣味生活を通じた人間性の向上のための環境整備(インフラ)であると言うことができる。

 魚釣りが趣味の人は、昨日はアラスカ、今日はアマゾン川流域での釣り、このようなダイナミックな生活スタイルが可能となる。美術鑑賞が趣味の人は趣味の仲間と車に乗り、国際ハイウェイを利用して世界中の美術館を巡り歩く、このような生活スタイルも日常的となる。

(『友情新聞』2016年4月1日号より)

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 次回は、「自然災害と日韓トンネルの効果」をお届けします。


◆『平和の大道 ―国際ハイウェイ・日韓トンネル―』を書籍でご覧になりたいかたはコチラへ(韓国語版もあります)


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