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平和の大道 48
国際ハイウェイのビジョン

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

ビジョンを描くことの意義

 一般にビジョンとは、理想として描く像(構想)、未来像のことだが、ここでは、ビッグプロジェクトとしての国際ハイウェイの「理念」と「戦略」との関係におけるビジョンについて論じることにする。この意味でのビジョンとは、理念(理想)が実現した時のはっきりした姿、イメージであり、実現性のある戦略に裏付けされた理想として描く未来像である。

 ビジョンは山登りに例えると分かりやすい。山登りでは、計画段階で登るべき山を決め、最適の登山ルートを探し出し、必要な準備をし、山登りを挙行する。山頂からの景色は、山を登っている時は見えない。山頂に到達して山頂からの景色を眺めることになるが、山頂に登った時の感動体験とその景色を、登る前に想像し、はっきりと思い描くことがビジョンを描くということである。

 何となくこうしたい、こうなるであろうという漠然としたイメージを持つことはビジョンを描くとは言わない。未来に起こるであろうことを現時点ではっきりと具体的な姿(映像)で視るところまで行かなければならないのである。そのレベルまで行くためには、「必達目標数値(コミットメント)」と「期限(デッドライン)」を決める必要がある。

 ビジョンを描くための思考過程は「何々は、…かくの如くなった」と、未来のことをすでに成就したこととして過去形で語る旧約聖書の預言者(例えばイザヤ)にも似た世界である。

 ビジョンを描くということの意味をもっと深く考えていくと、『国家』(プラトン著)の中の「洞窟の比喩」を想起する。そこでは、大半の人間は暗い「洞窟(現実世界)」の中にいて、そこがすべての世界であると思っている。実体がある外の明るい世界があることも知らず、実体ではなくその影ばかりを見て、影を実体であると錯誤して一生涯生活している。

 ところが、彼らの中から勇気ある人が現れ、「洞窟」から抜け出し、光り輝く外の世界に出て、影ではなくその実体(イデア)を直視する。イデアを直視した者(実体、真理を直視した者)が、現実の世界を例えた「洞窟」に降りてきて、実際に外で見てきたことを感動的に語る。彼にとっては過去(今)のことを語るのではあるが、その話を聞く方にとっては現実離れした未来の夢物語に聞こえる。彼は変わり者として、現状の秩序を破壊する者として「洞窟」の住人から反対され、排斥される。これが「洞窟の比喩」の話の粗筋である。

 ビジョンを描くということはこれに似た世界である。預言者や真理を直視する者のように、ことがすでに成就したかのように、理想型、「イデア」をはっきりと脳裏に描き、それを言葉にすることから始める。世の中で大成する人の多くは、すでに成功した時の自分をイメージとして明確に持っている。オリンピックで金メダルを獲得する人の多くは、幼少時に、オリンピック会場で金メダルを胸に掲げて表彰台に立っている自分の姿をはっきりと見ているのである。

 将来、ことが成就する時の具体的な映像を今の時点ではっきりと思い描くことが、ビジョンを描くということの本当の意味である。そのためには、「強い思い」を持ち続け、「構想の明確化」を求め続ける必要があり、そのような努力がなければビジョンは生まれない。寝ても覚めても、夢の中でも思い続けるぐらいでなければビジョンは与えられない。このレベルでのビジョンを描くことができれば、その時点でことの半分は成就したと見ることができる。

国際ハイウェイのビジョン

 私なりに、国際ハイウェイのビジョン(理想像)について深刻に思い続けて、「国際ハイウェイのビジョン」を描いてみた。これは現時点でのビジョンであり、これを進化させ発展させる必要があることは言うまでもない。論議を喚起するために、たたき台になればという思いから、あえて提示することにした。

 「高規格の国際ハイウェイ・ネットワークによって地球規模の交通の大動脈網を形成する。それにより世界経済が広域的かつ飛躍的に発展する。そのことが、世界平和と新文明創造のインフラの構築となる。その結果として世界平和と新文明が実現していく。当面の必達目標数値(コミットメント)は、2040年までに日韓トンネル、ベーリング海峡トンネル完成、21世紀中に地球規模の国際ハイウェイ・ネットワークの完成である」—これが国際ハイウェイのビジョンである。

 少し説明を加える。地球が人間一人の人体構造の類似形であるとみなすと、今の地球は一人の人間の人体構造になっていない。というのは、交通網が未発達であり、連結されていないため、大陸相互、島と大陸が陸路で連結されないでバラバラの状態であるからだ。

 世界が人体構造に似た統一された一つの世界になるためには、まず地球の各地域がトンネルまたは橋梁で連結されなければならない。日本は、日韓トンネルで韓半島を通じてアジア大陸とつながる。アジア大陸とアメリカ大陸がベーリング海峡トンネルでつながる。そして連結された諸地域の域内では高規格の高速道路ネットワークが構築される。

 この構想が実現すれば、経済が広域的かつ飛躍的に発展し、地域間格差や貧困の格差が解消し、万人が豊かに経済生活を享受することができる基盤が造成される。さらに、文化交流が活性化し、地球規模の新文明(環太平洋文明)が誕生する。国境がなくなり、戦争もなくなり、統一された一つの世界が現れる。自由と平和と繁栄の中で人類の幸福が実現する。

(『友情新聞』2015年6月1日号より)

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 次回は、「国際ハイウェイの戦略」をお届けします。


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