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平和の大道 42
ベーリング海峡トンネルの時代的背景

 皆さんは、『平和の大道』という書籍をご存じでしょうか。著者は、一般財団法人国際ハイウェイ財団の理事長、佐藤博文氏です。
 同書は、国際ハイウェイ財団が推進する「国際ハイウェイ・日韓トンネル」プロジェクトの意義や背景などについて総合的に理解することのできる貴重な一冊です。
 Blessed Lifeではその一部を抜粋して紹介してまいります。ぜひお楽しみに!

佐藤 博文・著

(『平和の大道-国際ハイウェイ・日韓トンネル-』より)

動き始めたロシア

 「ロシア政府は2030年までにベーリング海峡にトンネルを建設する計画を承認した。アレクサンダーレヴィンタル・ロシア極東連邦副知事は、米国、ロシア、中国、英国の専門家たちが参加する中で、ヤクーツクで開かれた資源開発に関する国際会議で明らかにした」(2011822日、英国の日刊デイリーメール)

 ユーラシア大陸と北米大陸の間にあるベーリング海峡に海底トンネルを掘り、双方の鉄道網に連結する計画に青信号が灯った。

 この計画がこの通り実現すれば、あと1516年でアジア大陸とアメリカ大陸が海底トンネルで陸続きになる。これは全世界を高規格ハイウェイや海底トンネルで連結する国際ハイウェイ構想の実現にとって画期的な第一歩となる。

 ロシアがこのような決定をしたことを契機に、改めて、ベーリング海峡海底トンネル建設構想の時代的背景を次の2点に絞って論じることにする。

 第一は、資源の宝庫であるシベリア、アラスカ、カナダの北部地域、北極圏地域が、今後、地球温暖化の影響により開発可能になり、その開発がいよいよ現実化する時代になったということである。

 第二は、文明史的な観点から見て、「環太平洋文明」が到来するということである。近年、太平洋圏が資源の宝庫であることが判明し、資源争奪を巡り新たな国家間の争いの場となる可能性が高まっている。そのため、国家間の利害調整と国際的な管理が必要となり、太平洋を、文字通り人類の「平和の海」として保全することが人類全体の課題となってきた。

シベリア・アラスカ・カナダ北部・北極圏の開発

 地球温暖化の急速な進行に伴って、永久凍土で覆われたシベリア、アラスカ、カナダ北部、北極圏地域が、自然条件の変化と技術の進歩により、経済的に採算の取れる形での開発が可能となってきた。そこは資源の宝庫であり、人類に残された有望なフロンティアである。

 ところで、資源開発を現実化する決定的要素の一つがまさに交通である。交通インフラが不十分であると経済的に採算が取れず、資源があったとしても開発が進まないのが現実である。ベーリング海峡海底トンネルを建設することにより、それと関係して鉄道や道路網の整備も進めば、この地域一帯の交通インフラが整えられる。その結果、資源開発が現実のものとなるのである。

環太平洋文明の到来

 太平洋の海洋資源が、将来のエネルギーや先端技術に必要な資源の宝庫であることが分かってきた。海底資源として、マンガン団塊、海底熱水鉱床、コバルトリッチクラスト、レアアース等、ノーベル賞的素材が太平洋に埋まっている。南鳥島沖で世界最高超高濃度の埋蔵量300年から数万年分のレアアース泥が発見された。太平洋の持つレアアース埋蔵量は陸上の1000倍とも推定されている。その他多くの資源が太平洋に埋蔵されていることが確認されており、資源のなかった太平洋の小島嶼国家が潜在的に資源大国になり得るのである。

 近年、中国の資源確保のための太平洋の島嶼国家への進出、米国の太平洋回帰の動き等が活発化し、このまま行けば、太平洋が大国間の資源争奪戦の戦場ともなりかねず、海洋資源の開発と保全のために太平洋の国際的な管理が急務となってきた。

 そのためにも、太平洋を取り囲む諸国家と嶼国家とが、太平洋を中心に連結していく国際的な枠組みやルール作りが必要であり、そのためのシンボルとなるプロジェクトが必要となってくる。北はベーリング海峡海底トンネル、西は日韓海底トンネル、アジア大陸と南北米大陸では環太平洋諸国群を連結するために、真珠のネックレスの糸のように国際ハイウェイを通すという国際ハイウェイ構想を、環太平洋諸国家群連携構想実現のシンボルにすべきではないかということを提言する。

 海は未来の人類の宝庫であり、21世紀は海洋の時代である。ベーリング海峡海底トンネル構想は、国際ハイウェイ構想の一環として、太平洋を中心とした海洋型文明としての「環太平洋文明」を切り開くという文明史的な使命を持っている。

(『友情新聞』2014年12月1日号より)

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 次回は、「ベーリング海峡トンネルの実現性」をお届けします。


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